【KAIZEN三四郎ものづくり道場】紙の帳票をシステムに変えたら、ベテランが「辞める」と言い出した。その後、現場で何が起きたか?

【はじめに】「俺は辞める」から始まる現場のリアル

「システムを入れると、現場が回らなくなる」
「あいつ(ベテラン)が辞めたら終わりだ」
これは、多くの中小製造業で実際に聞く言葉です。
ある会社でも、長年使ってきた手書きの作業日報や工程表をやめて、生産管理システムへ移行しようとしたとき——現場のベテランから、こんな一言が出ました。
「こんなもの入れるなら、俺は辞める」
さて、この後、現場では何が起きたのでしょうか。
KAIZEN三四郎KAIZEN三四郎の一言
「現場の反発を『ITアレルギー』で片付けちゃいかん。
あれはシステムへの文句じゃねえ。
長年会社を支えてきた『誇り』の叫びなんじゃ。」
【なぜ反発したのか】ITスキルではなく「存在価値」の問題
まず理解すべきは、彼らが反発する本質です。
・長年の経験や勘が“無価値になる”という恐怖
・自分のやり方が否定されたように感じる
・「自分がいなくても回る」状態への本能的な抵抗
これらはスキルの問題ではなく、「自分の居場所がなくなる」という存在価値の揺らぎから来ています。「今の時代だから」「使えば慣れる」とトップダウンで押し切ったり、若手だけでプロジェクトを進めたりすると、ベテランはへそを曲げ、システムは“誰も入力しない空箱”になってしまいます。





KAIZEN三四郎の一言
「手書きの帳票にはな、その職人が何十年もかけて見つけた
『一番ミスが少ない手順』が染み込んどる。
それをいきなり『今日から画面に入力しろ』と言われて、
ハイと頷く職人はおらんよ。」
【たった一つの転換】ベテランを「排除」から「主役」へ


導入が行き詰まりかけたとき、この会社は方針を大きく変えました。 それは、「ベテランを“排除する側”から、“主役(先生)”に変える」ことでした。
システム担当者が現場に足を運び、徹底的にベテランへヒアリングを行ったのです。 「なぜ、この帳票のこの順番じゃないとダメなんですか?」 「この余白に書いているメモには、どんな意味があるんですか?」
現場の暗黙知を一つひとつ紐解き、システムの設計に反映していく。 「紙をなくす」ためではなく、「ベテランの知恵をシステムに残す」という意味付けに変えたのです。



KAIZEN三四郎の一言
「システムで人を切り捨てるな。システムという器に、
職人の魂を流し込むんじゃ。
そうすれば、システムはただの道具から『頼れる相棒』
に変わる。」
【現場で起きた変化】システムが「教える仕組み」に変わる
すると、少しずつ変化が起きました。 最初は反発していたベテランが、画面を見ながらこう言い始めます。
「この項目は絶対に残した方がいい」
「入力画面の順番は、現場の動きに合わせないとダメだ」
システム構築を通じて、ベテランが「現場の解説者」となり、若手に教える場面が増えました。現場でのコミュニケーションが明らかに増えたのです。 そして最終的には、ベテラン自らがこう口にするようになりました。
「このシステムなら、俺が休んでも現場は回るな」
【まとめ】本当の成果は「人が育つ仕組み」ができたこと


多くの会社は「紙からシステムへの移行(効率化)」をゴールと考えますが、
本当の成果は違います。
・属人化していた「神業」や「ノウハウ」が言語化された
・現場と管理部門に共通認識が生まれた
・若手が育つ「教えられる状態」になった
ベテランの反発は、決して失敗のサインではありません。むしろ、現場が抱える「本質的な課題(属人化)」に触れている証拠です。彼らの知恵をシステムという器で「活かす」ことこそが、生産管理を成功させる鍵なのです。



KAIZEN三四郎の一言
「人を変えようとするな。仕組みを変えろ。
ただし、その仕組みは“人を活かす形”で作るんじゃぞ。」
もし、ここまで読んで少しでも
「うちも同じことが起きそうだ」
「何から手をつければいいか分からない」
そう感じたなら、まずは“今の状態”を整理するところから始めてみてください。
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