メルマガ 「DXナビゲーション」バックナンバー:第37号 経営者、工場長、管理者の皆さまへ:改革を止めないための「最初の一手」は、ここから始まる

はじめに:なぜ「正論」だけでは、現場は動かないのでしょうか
2026年、製造業が生き残るための『新・守破離』についてお話しした前回のメルマガには、多くの反響をいただきました。
・「技術を守り、やり方を変えるという考え方に納得した」
・「まさに、2026年を反転攻勢の年にしたいと考えていた」
一方で、現場を預かる立場の皆さまから、こんな切実な「本音」も届いています。

理屈はわかる。でも、結局どこから手を付ければいいのか?



下手に動いて現場を混乱させ、失敗することだけは避けたい。
2026年は、間違いなく淘汰の年になります。
時間が限られている今、最も避けなければならないのは――
迷っているうちに、『結局、何も変わらなかった』という結果に終わることです。
今回は、改革を止めないための「最初の一手」をどう設計するかについてお話しします。
*本稿は、メルマガの内容をHP記事用に一部加筆・修正しています。
第一章:最初に変えるべきは「現場」ではなく「見え方」です
多くのシステム化やDXがつまずく最大の原因は、最初から現場に「新しい負担」を強いてしまうことにあります。
・入力ルールを突然、厳格にする
・長年使ってきた紙の伝票を、いきなり禁止する
・作業時間を細かく記録させる
これでは、「管理のための管理だ」「余計な仕事が増えた」という反発が出るのも無理はありません。
本来、順番は逆であるべきです。
最初に変えるべきは、現場のやり方ではなく、経営者・管理者の「情報の見え方」なのです。
・どの案件が、実は赤字になっているのか
・どの工程が、慢性的に詰まっているのか
・誰が忙しすぎて、誰に余力があるのか
こうした「事実」が、感覚ではなくデータとして見えるようになる。
それだけで、現場への接し方は劇的に変わります。
「もっと早くしろ」という感情的な命令は、
「ここが詰まっているようだけど、どう解決しようか」という、
事実に基づいた“相談”へと変わるのです。


共通のデータという「物差し」があって初めて、現場と管理者は、同じ方向を向くことができます。
──
ここまで読んで、
「うちは、現場を変えようとしてばかりいなかったか?」
そんな思いがよぎった方もいらっしゃるかもしれません。
──
第二章:「全部やろう」とする会社から、2026年に失速していきます
システム導入の際、
「せっかく投資するのだから、一気に全部の課題を解決したい」
そう考えるのは自然なことです。
しかし、原材料費の高騰、人手不足が常態化する中で、組織が一度に吸収できる変化には、はっきりと限界があります。
成功している会社に共通しているのは、「最初の目的が、驚くほどシンプル」であることです。
・まずは、正確な原価を見える化し、価格交渉の土台をつくる
・まずは、負荷状況を把握し、無理な納期回答をなくす
・まずは、見積と実績のズレを“知る”ことから始める


この「まずは」を絞り込めるかどうか。ここが、改革を続けられる会社と、途中で止まってしまう会社の分かれ道になります。
たとえば、ある工場では、「今日の工程負荷が一目でわかる」ようにしただけで、無理な指示や現場のイライラが大きく減りました。大掛かりな改革ではなく、“見えるようになった”だけなのです。
第三章:現場が「前より、楽になった」と言い始めたら、勝ちが見えてきます
システム化の成否を分ける指標は、実はとてもシンプルです。それは、現場から、「前より、楽になったな」という言葉が出てくるかどうかです。
本当に優れた仕組みとは、管理のために「使わせる」ものではなく、現場が結果的に「得をする」ものです。
・探す手間、聞かれる回数が減る
・曖昧な指示による「迷う時間」がなくなる
・無理な納期による突発的な残業が減る


こうした“実利”を現場が実感したとき、これまでの慣習を変える痛みは、未来への前進へと変わります。
事務作業から解放された社員が、本来の「技術」に向き合う余裕を取り戻したとき、工場は「忙しいだけの場所」から、高付加価値を生み出す強い組織へと変わっていきます。
結び:改革とは「覚悟」ではなく「設計」です
2026年を生き抜くために必要なのは、トップの強い号令や、現場への無理な要求ではありません。必要なのは、無理をさせない順番と、失敗しにくい設計です。
まずは大きな改革を考える必要はありません。
「今、何が見えていないのか」を紙に3つ書き出してみるだけでも十分です。
プロフェクトの生産管理システム「TED」は、単なる効率化ツールではありません。中小製造業の経営者が集まり、「自分たちが本当に欲しかったもの」を形にしてきた仕組みです。
だからこそ、私たちは、“最初の一歩を間違えないこと”を、何よりも大切にしています。
2026年を、「やろうと思った年」で終わらせず、確実な「変革の年」にするために。
「うちの場合、何が最初に見えるべきなのか」
もし、そんな疑問が浮かんだなら、それがすでに改革のスタート地点です。


現場も、会社も、そして未来も報われる改革を。
私たちプロフェクトは、御社の反転攻勢を支える「参謀」として、これからも共に走り続けます。


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