【KAIZEN三四郎ものづくり道場 新連載】 「人は、増やすな。」中小製造業が生き残るための“人手不足”脱出論(第1回)「人が足りない」だけで会社は潰れるのか? 427件の倒産が示す“真の病巣” 

前書き(連載開始にあたって)

「人が足りない」
いまや中小製造業の現場で、この言葉を聞かない日はありません。
採用をかけても人が集まらない。
若手が定着せず、ベテランに負担が集中する。
それでも、「今は何とか回っている」からと、日々の仕事に追われている――
そんな現場も多いのではないでしょうか。

しかし近年、「人手不足」を直接の要因とする倒産が、現実のものとして増え始めています。
それは決して、特別に経営の下手な会社だけに起きている話ではありません。
むしろ、真面目に現場を回し、無理を重ねながら踏ん張ってきた会社ほど、危うさを抱えています。

この連載では、
「なぜ人手不足が倒産につながるのか」
「なぜ若者が製造業を選ばなくなったのか」
そして「どうすれば、この状況から抜け出せるのか」を、
精神論ではなく、現場の構造という視点から、3回の連載
により整理していきます。

「人が足りない」だけで、会社は潰れるのか?

ツクル君

三四郎さん、これ見ましたか?
帝国データバンクの調査「人手不足倒産の動向調査
(2025年)」
で、2025年の「人手不足倒産」が
過去最多の427件だそうです。
建設や物流が特に深刻みたいで……。

KAIZEN三四郎

ふむ。だがなツクル、その数字を見て
「採用難で気の毒だな」で終わらせたら危ないぞ。

ツクル君

えっ?
人が減って、採れなければ、仕事が回ら
なくなるのは仕方ないですよね?

KAIZEN三四郎

そこが甘い。
倒産した理由は「人が足りない」からではない。
「人が足りない状況に耐えられる業務設計になっていなかった」
――それが本当の原因だ。

昭和モデルが、通用しなくなった瞬間

KAIZEN三四郎

今回の急増の背景には、いわゆる2024年問題がある。
これまで建設も物流も、
・納期が厳しければ残業でカバー
・人が足りなければ現場の気合で何とかする
そんな“昭和モデル”で帳尻を合わせてきた。
だが、時間外労働の上限規制で
その調整弁が一気に使えなくなった。

ツクル君

……正直、ウチも似たようなところがあります。

KAIZEN三四郎

だろうな。
問題は、それが製造業にもそのまま当てはまるということだ。

倒産企業の77%は「10人未満」──属人化という時限爆弾

KAIZEN三四郎

もう一つ、重要な数字がある。
人手不足倒産の77%は、従業員10人未満の企業だ。
ツクル、お前の工場にもいないか?
「この人がいないと回らない」ベテランが。

ツクル君

……います。
段取りは工場長のヤマさん頼りです。

KAIZEN三四郎

それが“時限爆弾”だ。
10人以下の組織で属人化を放置すれば、
・退職
・病気
・急な欠勤
たった一人の不在で、工場は止まる。
退職届は、そのまま倒産通知になりかねん。

製造業にとっても、対岸の火事ではない

KAIZEN三四郎

物流が止まれば、部品は来ない。
出荷もできない。
建設業者が倒れれば、設備投資も止まる。
サプライチェーンのどこかが詰まれば、
製造業も同じように苦しむ。
そして何より――
長時間労働と属人化でごまかしている構造は、
中小製造業もまったく同じだ。

ツクル君

……人が辞める → 仕事が回らない → さらに人が辞める。

KAIZEN三四郎

そうだ。
これが「人手不足倒産」の正体だ。

精神論を捨て、「業務設計」をやり直せ

ツクル君

じゃあ、結局どうすればいいんでしょう?
採用を強化するしか……。

KAIZEN三四郎

違う。
人が増える前提で考えるな。
人口は減る。
採用競争は、これからもっと厳しくなる。
やるべきは、業務設計のやり直しだ。
・現場の制約を数字で把握する
・属人化を標準化で潰す
・根拠を持って価格交渉する
これができる会社だけが、生き残る。

編集後記(第1回)

「人が足りないから仕方がない」
この言葉は、これまで多くの中小企業を守ってきた“免罪符”だったのかもしれません。

しかし、数字が示す現実は厳しいものです。
人手不足倒産の急増は、単なる採用難の問題ではなく、「人が減る前提で仕事を設計してこなかった」ことへの警告でもあります。
残業や気合、ベテランの踏ん張りで何とか回っている工場ほど、実は最も危うい。
それは、今は見えないだけで、倒産の芽を内部に抱えている状態だからです。

本当に問われているのは、
「人をどう集めるか」ではなく、
「人が少なくても回る仕組みを、今つくれているか」。

この連載では、その問いから目を背けず、
中小製造業が“次の10年”を生き抜くための現実解を掘り下げていきます。

次回は、人手不足倒産の“前段階”とも言える
「若者が製造業を選ばなくなった理由」に切り込みます。
人が来ない本当の理由は、案外、現場の中にあるのかもしれません。

KAIZEN三四郎からの「セミナー緊急案内」

ツクル君

三四郎さん……話しを聞いて背筋が凍りました。
ウチも『見せかけの繁忙』 で倒産予備軍かもしれません。
次回の連載まで待てないんですが、どうすればいいですか?

KAIZEN三四郎

ふむ。危機感を持つのは良いことだ。
ならばツクル、2月18日(水)のセミナー に参加しろ。
ここでは、『なぜ人を雇うことがリスクになるのか』、
そして『増員ゼロで現場を回す自工程完結の仕組み』
について、より具体的に伝授する。
「日本DX大賞2025」支援部門優秀賞を受賞した
プロフェクト(株)によるオンライン開催 だ。
現場の合間に耳を傾けろ。
生き残るためのヒントが必ずあるはずだ。

▼「増員ゼロの生産性改革」セミナー詳細
・テーマ: 「人を雇う」は、もはやリスクか。~「見せかけの繁忙」が崩壊する前に着手する、増員ゼロの生産性改革~
・日時: 2026年2月18日(水) 14:00~15:00
・形式:オンライン/Zoomウェビナー形式
・参加費: 無料

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