【KAIZEN三四郎ものづくり道場】社長がいなくても回る会社を作るのは、誰だ?

ツクル君

三四郎さん、さっき訪問した工場の社長さん、本当にタフですね。
出張から戻ったばかりなのに、現場からの相談に全部答えて、納期調整の電話もしながら、トラブル対応まで指示してましたよ。
まさに「社長が頑張っている会社」って感じで、熱気がありましたね!

KAIZEN三四郎

ふむ。一見するとそう見えるな。
だがツクル、あの熱気の裏にある危うさに気づいたか?

ツクル君

えっ、危うさ、ですか?
社長が陣頭指揮をとって頼りがいがあるように見えましたけど……。

KAIZEN三四郎

確かに頼りにはなる。
だが、それは裏を返せば「社長がいないと回らない会社」ということだ。
社長が出張に出ると判断が止まる、休むと現場がざわつく、細かいところまで口を出さないと仕事が前に進まない……。

ツクル君

あぁ……言われてみれば、社長が電話中の時、社員さんたちが「どうしよう、指示待ちだな」って顔で手を止めてました。

KAIZEN三四郎

そうだ。
社長一人が全ての判断を抱え込んでいる状態だ。
理想はその逆、「社長がいなくても回る会社」を作ることだ。そ
して重要なのは、その会社を作れるのは、他ならぬ社長自身だけなんだ。

ツクル君

社長がいなくても回る……。
それって、現場に全部丸投げして、社長は口出しせずに好きにやらせるってことですか? なんか無責任な気もしますけど。

KAIZEN三四郎

勘違いするなよ、ツクル。
それは「任せている」のではなく、単に「放置」しているだけだ。

ツクル君

放置と任せる、どう違うんですか?

KAIZEN三四郎

放置は「好きにやらせる」こと。
対して、本当の意味で任せて回る状態とは、「判断基準が共有されている」ことだ。
仕事の流れが見える化され、誰がやっても同じ結果に近づく仕組みがある。
つまり、社長の頭の中にあった経験や勘が、会社の「仕組み」として外に出ている状態を作ることだ。

ツクル君

なるほど……。
社長がいちいち指示しなくても、社員が「社長ならこう判断するな」ってわかって動ける状態、ということですね。

KAIZEN三四郎

その通り。
トラブル対応やイレギュラーな判断といった「現場対応」に
追われるのは、ある意味、社長にとって充実感がある仕事か
もしれない。
だが、それを社長一人が抱え続けていては、いつまで経って
も組織は強くならない。
社長の本来の仕事は、「判断を個人技から仕組みに変えるこ
と」だ。

ツクル君

でも三四郎さん、社長と同じレベルで判断できるような「スー
パー社員」を育てるのって、すごく時間がかかりませんか?

KAIZEN三四郎

そこも多くの人が誤解している点だ。
「社長がいなくても回る会社」イコール「社長の代わりがいる会社」ではない。
特定のエース社員に頼るのではなく、情報が集まり、状況が見え、判断の根拠が共有される「仕組み」に頼るんだ。

ツクル君

あ!そこで僕たちが推進している「生産管理システム」の話がつながるんですね!

KAIZEN三四郎

そうだ。
生産管理というと、現場の担当者が予定を組んだり在庫を見たりするための道具だと思われがちだ。
だが本質は違う。
生産管理は、「社長が現場にいなくても会社を回すための経営の道具」なんだ。

ツクル君

経営の道具……。

KAIZEN三四郎

例えば、生産の進捗が一目でわかる、遅れや異常が早めに
見える。
こういった「管理の見える化」が整っていれば、社長がいち
いち「今日は誰が何をやってるんだ? 遅れはないか?」と
聞いて回らなくても、現場だけで是正ができる。

ツクル君

そうか。「聞かなくても分かる状態」を作れば、
社長はいちいち現場に行かなくて済むわけですね。

KAIZEN三四郎

その通りだ。
今日何がどこまで進んでいて、どこにリスクがあるのか。
これを社長が把握できる状態になって初めて、
社長に「考える時間」が生まれる。
目先のトラブル対応ではなく、先の手を打ち、
経営に集中できるようになるんだ。

ツクル君

なるほどなぁ。
社長がいなくなることで、
逆に社長の価値が高まるってことですね。

KAIZEN三四郎

うむ。
「自分がいなくても回る会社を作る」というのは、自分
の居場所をなくすようで少し怖いかもしれん。
だが、それは社長の仕事を奪うことではなく、社長を
より高度な「経営」という仕事に専念させることだ。

ツクル君

社長が本気で「自分の手放し方」を設計した
会社こそが、長く強く続いていくんですね。

KAIZEN三四郎

そういうことだ。
社長が決め、社長が手放し、社長が仕組みに変える。
この積み重ねこそが、次の世代につながる会社を作るんだよ。

編集後記
 一見、現場の最前線で陣頭指揮をとる社長は頼もしく映りますが、それは裏を返せば「社長がいなければ止まってしまう組織」という危うさを抱えていることにもなります。
 本記事で三四郎が説いたのは、社長が現場を離れることへの恐れを捨て、「仕組み」という名の分身を作ることの重要性です。それは現場への「放置」ではなく、社長の経験や勘をシステムという「共通の判断基準」へ昇華させる高度な経営判断に他ならないのです。
 生産管理システムは、単なる事務効率化のツールではなく、社長が現場にいなくても全体を掌握し、未来のための時間を確保するための「経営のコックピット」です。次世代へ続く強い会社を作るために、まずは社長自身が「手放すための仕組み作り」に着手すべき時なのかもしれません。

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