【KAIZEN三四郎ものづくり道場】生産管理検定とQC検定の違いを徹底解説! 2025年度後期の受験スケジュールは?

現場力を高める2大資格、「工場を動かす仕組みの教養 vs 現場改善の道具箱」を対話形式で理解する
製造業のスキルアップでよく目にする「生産管理検定(プランニング・オペレーション)」 と「QC検定(品質管理検定)」。
どちらも人気の資格ですが、目的や内容は大きく異なります。
今回は、ものづくり現場の指南役である経営コンサルタントの KAIZEN三四郎 と中小金属加工企業に勤める若手担当者ツクル君が、二つの検定の違いを分かりやすく解説する対話形式の記事としてまとめました。

本記事を読むと、以下の内容がわかります。
・生産管理検定とQC検定の違い ・自分の職種に合う資格 ・勉強の優先順位 ・最新の受験スケジュール
知っておきたい基本情報

【どっちを取るべき?】生産管理検定とQC検定の違いを徹底比較|職種別のおすすめも解説
ツクル君の疑問
ツクル君:最近、生産管理検定ってよく聞くんですが、QC検定との違いがよく分からなくて…。
どっちを勉強すれば現場力が上がるんでしょう?
KAIZEN三四郎:どちらも製造現場で働く者にとって、これからの時代には欠かせない重要な武器じゃ。
ツクル君:でも、どちらも「工場を良くする」という点では同じように聞こえてしまって…。まさか両方取らなければいけないんでしょうか?
KAIZEN三四郎:良い質問じゃ。確かにどちらも大切だが、一言で言うと、目的と扱う範囲が全然違うんじゃ。
目的の違い
KAIZEN三四郎:まずは目的から説明しよう。
● 生産管理検定(プランニング・オペレーション)
→ 生産の流れや仕組みを理解し、工場全体を動かす「管理の型」を学ぶ。
● QC検定(品質管理検定)
→ 問題解決・改善手法を学び、品質を安定させる「改善の型」を習得する。
ツクル君:なるほど…。つまり、「効率や納期」を追求するのが生産管理で、「不良率ゼロ」を目指すのがQC、というイメージですか?
KAIZEN三四郎:その通りじゃ。生産管理は「正しい製品を、正しい時期に、正しい量だけつくる仕組み」を確立し、QCは「その仕組みの中で、品質が乱れないように守り、改善する」のが主な役割じゃ。
ツクル君:おぉ、目的がまったく違うんですね!


扱う領域の違い

ツクル君:生産管理が『納期を守るための計画』を作るなら、QCは『不良が出ないように品質を安定させる』役割なんですね。
KAIZEN三四郎:その通りじゃ。そして生産管理が作った計画が破綻したとき、QCの手法が役立つんじゃ。
ツクル君:計画の破綻、ですか?
KAIZEN三四郎:うむ。計画より不良品が多く出たとき、納期が遅れるじゃろう。そこでQCの要因分析(特性要因図など)を使って『なぜ不良が増えたか?』を突き止め、生産管理が計画の再調整(負荷調整、能力計画)をする。この連携こそが肝心なのじゃ。

どんな人に向いている?

ツクル君:僕はまず現場の改善を進めたいから、最初はQC検定の3級や4級から始めるのが良さそうですね 。
KAIZEN三四郎:うむ。現場の『なぜ?』を解決する力がつく 。そして、将来的に工場全体を見る立場(工場長候補など )を目指すなら、必ず生産管理検定のプランニング(生産計画の知識 )を学ぶ必要があるぞ。
ツクル君:なるほど! QCで現場の『点』を改善し、生産管理で工場の『線』や『面』を設計する力を身につける、と。
勉強内容の違い【ざっくり比較】

ツクル君:こうして勉強内容の表 を見ると、生産管理は「計画の仕組み」そのものを学ぶようで、QCは「データ分析と問題解決のテクニック」を学ぶ感じがしますね。
KAIZEN三四郎:鋭いな、ツクル君。生産管理が工場全体を動かすための『設計図』なら、QCは現場の異常を即座に見つけ出すための『高性能な診断ツール』じゃ。
ツクル君:診断ツール…。具体的なイメージが湧いてきました!
KAIZEN三四郎:例えば、工程能力指数(Cp/Cpk)を学ぶのはQCじゃが、その指数が「不良が出やすい危険な状態だ」と告げたとき、生産管理の知識(工程設計や負荷計画)を使って、どうやって工程全体を組み直すかを考えるんじゃ。
ツクル君:現場の状況(QCのデータ)に応じて、工場の設計図(生産管理の知識)を書き換える…!ようやく二つの知識が現場でどう繋がるのか、確信が持てました!
結局どっちを学ぶべき?
KAIZEN三四郎:まずは自分の役割に直結する方からで構わない 。生産管理で俯瞰力をつけたいならBASIC級や3級 、現場で問題解決の武器を手にしたいならQC検定4級・3級 じゃ。
ツクル君:ありがとうございます!まずはQC検定で『改善の道具箱』 を手に入れて、その力を活かしながら、工場全体の仕組みを学ぶために生産管理のプランニングに挑戦します!
KAIZEN三四郎:それで良い。改善活動と並行して『なぜこの計画が必要なのか』を学ぶことで、知識が現場で生きるんじゃ。
現代のものづくり現場に最も必要なのは、「仕組みを設計する知恵(生産管理)」と、「異常を見つけ出す技術(QC)」じゃ。この二つの知識は、どちらが欠けても工場は強くならん 。
君のキャリアパスにおいて、まずは目の前の問題解決(QC)からで構わない。
しかし、最終的には工場全体を見渡す「両輪の視点」を持て。それこそが、君を真の現場のリーダーへと押し上げる最強の武器となるじゃろう 。
「せっかく取った資格、活かせてますか?」知識を工場の資産に変える方法
生産管理検定やQC検定で学ぶ内容は、どれも現場改善に直結する重要な考え方です。
しかし、資格で学んだ知識を個人のスキルのままにしておくと、担当者が変わった瞬間に効果が薄れてしまいます。
現場で成果を出し続けるには、「標準化」と「システム化」によって、工場全体のしくみとして定着させることが欠かせません。
当社が提供する総合生産管理システム「TED」は、1人1台の端末保有を実現し、中小製造業向けに特化したクラウド型の生産管理システムです。
受注・工程・負荷・在庫・実績を一元管理し、標準リードタイムや標準工数、QC活動で得た改善結果も、日々の生産計画と紐づけて運用できます。「資格で学んだ生産管理やQCの考え方を、現場の数字と日々の段取りにまで落とし込みたい」という企業にとって、TEDはその土台となるしくみです。
知っておきたい2025年度後期の試験予定
(1)生産管理検定
【2025年度年後期試験】
試験実施日:2026年2月15日(日)
申込受付:2025年10月6日(月)〜2025年12月6日(金)
(2)QC検定
【第41回】
1級・2級(筆記試験)
試験実施日:2026年3月15日(日)
申込受付:2025年12月11日(木)~2026年1月15日(木)
3級・4級(CBT試験=コンピュータ試験)
試験実施日:2025年12月15日(月)~2026年3月15日(日)
申込受付:2025年10月20日(月)~2026年2月15日(日)
*日程は執筆時点の情報であり、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

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