【2025年最新版】生産管理に役立つ資格 ~「生産管理オペレーション」「QC検定」について~
生産管理の資格について過去にHPに記事を掲載したところ、以来現在に至るまで、大変多くの方にご拝読いただいております。ご愛読、ありがとうございます。皆さまの関心の深さが伺えますので、改めて解説させていただきます。
生産管理は、多様な要素を複合的に統合し、効率的な生産活動を実現するための重要な役割を果たしています。生産管理を行う上で資格の取得は必須ではありませんが、これらの要素を一元的に管理するためには、深い知識と実践的なスキルが求められます。
ついては、生産管理の仕事をしている人の中には、資格取得を考えている方も多いのではないでしょうか。生産管理の仕事は資格がなくても行えますが、資格を取得することは、生産管理の専門的な知識を深めることで企業の生産性向上に寄与できるとともに、キャリアアップにもつながるなど、さまざまなメリットがあります。
中でも、職業能力開発促進法に基づいて作られた資格で、中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施しているビジネス・キャリア検定試験のひとつである「生産管理オペレーション」と、日本品質管理学会の認定を受け、日本規格協会(JSA)と日本科学技術連盟(JUSE)が実施している品質管理に関する資格である「QC検定」は、生産管理の仕事に従事するなら、取得しておきたい資格です。
そこで今回は、「生産管理オペレーション」と「QC検定」がどのような資格なのか、試験の内容や難易度、取得するメリットについてご説明します。まずは、「生産管理オペレーション」について。
生産管理オペレーションは「生産管理」分野の資格のひとつ
「生産管理オペレーション」は、中央職業能力開発協会が実施するビジネス・キャリア検定『生産管理』の資格の中のひとつです。生産管理の中でも、生産システムの運用業務を対象としています。主に原材料の管理や実際の生産活動から顧客への引き渡しまでの分野の管理を学ぶものです。同じ生産管理でも生産システムの企画開発や設計などに従事する人を対象とする資格は、「生産管理プランニング」として扱われています。生産システムの実際の運用業務に携わる人を対象とする資格「生産管理オペレーション」には、企画開発や設計などの内容は含まれていません。
生産管理オペレーション資格取得のメリット
生産管理オペレーションは、「職業能力開発促進法」という法律に基づいて定められた公的な資格であり、また、厚生労働省が設けている「職業能力評価基準」に準拠してもいるので、とても信頼性の高い資格です。
資格を取得することで、生産管理の専門知識が深まり、業務の効率化や品質の向上に寄与するなど、企業において重要視されています。また、資格取得者にとっては、専門性を高め、業務遂行能力を向上させることで、キャリアアップに大きく貢献します。
受験資格が不要で間口が広いのも大きな魅力なので、皆さまの企業の従業員にも受験を勧められてはいかがでしょうか。
生産管理オペレーション:3級、2級、生産管理:1級の違いとは?
生産管理オペレーションの資格は、3級と2級の2段階設定です。1級になると生産管理プランニングと生産管理オペレーションを併せた「生産管理」という資格になります。
【参考】過去の問題例(2022年度後期)
・3級生産管理オペレーション
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/r04l042b01x.pdf
・2級生産管理オペレーション(作業・工程・設備管理)https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/r04l042a01x.pdf
・2級生産管理オペレーション(購買・物流・在庫管理)https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/r04l042a02x.pdf
出所:中央職業能力開発協会
生産管理の業務は、適切にQCDを管理して問題なく製品を市場に流通させる上で非常に重要な役割を担っています。生産管理の専門家として、資格を持つことは、自分自身のスキルや知識を証明するだけでなく、組織全体の生産効率や品質向上にも大きく貢献することができます。資格を持つことで、より高い信頼性と専門性を持って業務に取り組むことができます。
また、資格を持つことで、生産管理業務の考え方をしっかりと学ぶことができます。これにより、日常の業務の中で直面するさまざまな課題に対して、適切な判断を迅速に下す能力が身につきます。さらに、生産管理の資格を取得する過程で、弊社の総合生産管理システムTEDを含めた生産管理ソフトやさまざまなツールの使い方を学ぶことができます。これにより、データの収集や分析、そして最適な生産計画の策定など、業務を効率的に進めるためのツールを使いこなす能力が身につきます。
QC検定(品質管理検定)とは
次に「QC検定(品質管理検定)」についてご説明いたします。
QC検定とは、品質管理に関する知識を客観的に評価する試験です。試験では、品質管理の手法や考え方、品質管理の実践、改善能力などの知識が問われます。製造業において、品質管理を徹底する重要性は改めて言うまでもありません。製造現場のみならず、工場のどの部門においても、品質管理への高い意識・知識が求められるだけに、昨今はQC検定を評価する企業が増えつつあります。
QC検定は、日本品質管理学会が認定を行い、 日本規格協会と日本科学技術連盟が主催団体として運営しています。この他、16の協賛団体があります。
なお、QC検定は2005年に第1回の試験が実施された比較的新しい資格ですが、2024年時点にて累計合格者は77万人を突破。3月と9月の年2回、全国約120箇所の会場にて筆記試験が実施されています。
QC検定:1級〜4級のレベルとその違い
QC検定には、品質管理の知識や経験などのレベルに応じた1級~4級の試験があります。学歴や実務経験などの受検資格はないため、どの級から受検しても構いません。
ただし、上位の級になるにつれ、品質管理の実務で得られる知識や改善能力がないと問題が解けないようになっています。そのため、自分のレベルに合わせて受検する級を選ぶことが大切です。具体的には、品質管理の知識がない新社会人や学生は4級、品質管理の基礎的な知識と経験がある方は3級が適しています。一方、2級は品質管理のリーダーを務めている方、1級は品質管理活動を自ら指導できるリーダーや管理職に向いています。
【参考】各級の問題例 https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/qc/qc_mondai
企業におけるQC検定資格取得のメリット
企業におけるQC検定資格取得には、いくつかの重要なメリットがあります。以下に主なポイントを挙げます。これらのメリットを活かすことで、企業はより効果的な品質管理を実現し、全体的な業務のパフォーマンス向上に寄与することができます。
まとめ
QC検定は、品質管理に関する知識を「客観的」に評価する資格です。取得を推奨する企業があることや、受検者が年々増加傾向にあることからも、実用性の高い資格と評価できるでしょう。
生産管理の専門家として、資格を持つことは、自分自身のスキルや知識を証明するだけでなく、組織全体の生産効率や品質向上にも大きく貢献することができます。資格を持つことで、より高い信頼性と専門性を持って業務に取り組むことができます。
「生産管理オペレーション」「QC検定」、是非とも検討されてみることです。
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