2024年度下半期、補助金(IT導入補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金)の最新動向

本稿は2024年8月23日時点で公開されている情報をもとに、IT導入補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金の2024年度下半期の最新動向についてご説明したものです。

公開情報を見る限り、今後については、現時点ではまだ不透明な点がありますのでご注意ください。

つきましては、皆さま方が補助金の申請を検討される場合は、必ず最新の情報をご確認くださいますようお願いいたします。

IT導入補助金

IT導入補助金2024の交付申請(令和5年度補正予算)は、2024年8月23日17:00をもって終了しました。

事務局のサイトには、「※本年中に更に1回の公募を実施する予定です。詳細が決まり次第、本HP上でお知らせします。」との記述があります。

これについては、現在、中小企業基盤整備機構が、2024年8月7日〜8月28日を公募期間として「令和6年度当初予算『サービス等生産性向上IT導入支援事業』に係る事務局の公募」を行なっていますので、事務局公募の結果が判明してから、今後の皆さまの申請の予定が発表になるものと思われます。

なお、上記の事務局の「公募要領」の中には下記の記述があります。

「公募確認の結果、応募要件を満たすと認められる者がいない場合は、現行事業者と業務実施手続きに移行する。一方で、応募要件を満たすと認められる者が存在した場合は、現行事業者と当該応募者で、企画競争による選定に移行する。」

この文面から弊社が推定するに、今回の公募に応募要件を満たすと認められる者がいない場合は、「現行事業者と業務手続の移行する」とのことなので、比較的早い時期に、令和6年度当初予算による本補助事業が執行されるものと思います。一方で、応募要件を満たすと認められる者が存在した場合は、「現行事業者と当該応募者で、企画競争による選定に移行する」とのことなので、本補助事業の執行まである程度の期間を要すると思います。

事務局の「公募要領」には、契約期間(補助事業実施期間)について、下記の記述があります。

「令和7年8月末とする。ただし、国における予算措置の状況に変化が生じた場合は、令和6年度末で契約を終了することがある。」

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

ものづくり補助金については、2024年3月27日に締め切られた「第18次ものづくり補助金」の採択結果が、6月25日に公表されました。今回の採択結果は、応募件数5,777件、採択件数2,070件、採択率35.8%(過去最低水準)と、多くの申請者にとって厳しい結果となりました。予算の制約、審査基準の厳格化が影響したものと考えています。

次の「第19次ものづくり補助金」の日程はまだ開示されていません。正式な発表を待つ必要がありますが、公募継続の可能性は高いと思います。

その主な理由は、次の2点です。

中小企業庁の方針:中小企業庁が2024年度版の公式ガイドブックを公開しており、その中に「ものづくり補助金」の記載があります。これは公募が継続される可能性が高いことを示唆しています。

産業構造審議会での言及: 2024年5月に経済産業省で開催された「第16回 産業構造審議会」において、製造業の政策の方向性の中でものづくり補助金について触れられました。審議会で公表された最新の資料には、引き続きDX投資の促進案として「ものづくり補助金等を通して需要サイドを喚起」という記載(P33)があります。

今後についてですが、第17次、第18次は令和5年度補正予算に基づく公募であることがうたわれていること、公募要領に「令和5年度補正予算に基づく公募については、本公募で終了となります。」と記載されていることから、第19次については、今後、「令和6年度補正予算」が成立した後に執行されることになるとみています。

事業再構築補助金

事業再構築補助金の第12次公募は、2024年4月23日〜7月26日を公募期間とされ、現在、「令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)」の採択結果待ちです。

事業再構築補助金はこれまで計12回の公募がありました。第11次が2023年8月10日〜10月6日に、第12次は上記の通りに公募があり、締切日で見ると、第11次と第12次の間に、およそ10ヵ月の期間が空いています。

実は、この間に政府内で「事業再構築補助金の存在意義」について話し合いが行われていたと思われます。事業再構築補助金を受けたにも関わらず、有効な事業再構築がなされていない(成果が出ていない)企業があるという指摘を受けてのものでしょう。このような指摘を受けて、第12次の事業再構築補助金の公募は、かなり後ろ倒しになった模様です。

現在、第12次まで続いている事業再構築補助金ですが、第13次以降の今後の継続について明確な方針が出ておらず、不透明な状況となっています。

ただ、中小企業庁が2024年8月8日付けで、「中小企業等事業再構築促進事業の履行体制について」という資料を発表しています。資料を見ると、2024年8月1日に事業再構築促進事業の履行体制が更新されています。事業再構築補助金が終了する予定であれば、わざわざ今のタイミングで履行体制を更新する必要性はないわけで、これをもってすれば、事業再構築補助金は制度改定を行いながらも継続するものと判断できるのではないかと思います。

以上、IT導入補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金について、2024年度下半期の最新の動向について、現在公表されている資料の範囲でご説明しました。3補助金とも、現段階では、今後どのようになるか、詳細事項は明確になっておりません。つきましては、皆さま方が申請を検討される際は、必ず最新の情報をご確認いただきますようお願いいたします。

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