【2023年最新】生産管理システムに関するよくあるご質問

はじめに

モノづくり経営にとって生産管理は非常に重要な機能であり、生産管理システムは製造プロセスを最適化し、競争力を向上させるために必要不可欠なツールです。さらに、生産管理システムのデジタル化は、企業が成長するための重要なステップとなり、DX（デジタルトランスフォーメーション）の第一歩として位置づけられています。デジタル技術を導入し、プロセスを最適化することにより、企業は市場の変化に適応し、効率を向上させることができます。

しかし、生産管理システムは、”魔法の杖” の如く、導入すればすぐに課題を解決できるという安易な考えでは、ものになりません。経営者、管理者、従業員が一体となって創意工夫を図りつつ、使い込んでいかなければ効果は出ません。既存の組織文化やプロセスに変更を加えることは、従業員や組織の一部に抵抗を引き起こす可能性があります。変更への抵抗が生産管理システムの導入を妨げることもあります。下手をすると、生産管理部門のみならず、製造、営業、購買、管理等の部門が大混乱し、部門間の軋轢が生じて、全社員が疲弊するばかりということにも陥りかねません。

弊社では、経営者がいろいろな理由で思い切れず導入を躊躇している例や、せっかく導入したものの、適切な運用に至らず、一向に不良が減らない、利益が出ない等々の改善効果が出ていない例を多数見聞きしています。それだけに、生産管理システムの選択と導入には慎重な計画と調査が必要になること、また運用には全社一丸となっての取り組みが必要になることを、肝に銘じなければなりません。自社のニーズに合致し、将来の成長に対応できるシステムを選ぶこと、そして実務者が腑に落ちたシステムであることが何より重要です。

弊社のスタッフは中小製造業に実際に携わって、自らの課題を解決すべく生産管理システムの開発に当たってきた経験とノウハウがあります。その意味で、他社に類を見ない、真にお客様の立場に立って、導入前も導入後もサポートできるという強みがあり、お客様の困りごとに寄り添うことができます。

ついては、今回、皆様が生産管理システムの導入を検討される上で役に立つことを願って、お客様から寄せられた数々のご質問をまとめてみました。弊社の日々の営業活動を通じて寄せられた声、あるいは各地で開催しております弊社主催のセミナーを通じての声、または直接ホームページに寄せられた声等に対しての回答を、弊社の考え方とともにご紹介させていただきます。本稿を参考に、更なる生産性向上に資する生産管理システムの効果的な使い方を知っていただければ幸いです。

よくあるご質問

「なぜ、生産管理システムを導入しなければならないのでしょうか？」

製造業において、生産管理の役割は工場の仕組みそのものであり、企業経営の観点でも重要な要素です。製造業が他社との差別化、優位性を確立し、競争力の強化や利益の最大化を実現するためには、QCD（Q：Quality、C：Cost、D：Delivery）の更なる向上が欠かせません。「高品質なものを・低価格で・短納期で」生産することを通じて利益の最大化を図るために、ますます生産管理の重要性は上がっています。

特に、加工機の性能が上がり、今以上に誰でも同じようにモノづくりができるようになれば、QCDの「管理力」がものを言うことになります。その管理をカンとコツに頼らず、データにより情報を一元管理して緻密に行うのが生産管理システムです。生産管理システムは受発注から生産、出荷までの生産プロセス全体を効果的に管理し、企業の競争力向上、効率化、品質向上、コスト削減などに寄与する重要なツールです。人手不足がますます深刻化していく中、

生産管理をいかに効率化するかが大きな課題になります。生産管理システムの活用の優劣は今後の社運を左右すると言っても過言ではないと思います。

「生産管理システム導入に際して、社長として気をつける点は？」

生産管理システムの導入は組織にとって重要なプロジェクトであり、社長のリーダーシップとコミットメントが成功に大きく寄与します。社長は組織にどのような成果を期待し、どのような方向性でいくのかを明確に示す必要があります。また、生産管理システムの導入に対するビジョンを組織内外に共有し、従業員や関係者をそのビジョンに共感させることが重要です。

生産管理システムの導入は組織内での変革を意味します。社長は変革を受け入れる土壌を社内で醸成し、従業員の支援とトレーニングに積極的に関与しなければなりません。さらに、社長はプロジェクトの進捗と成果を定期的にモニタリングし、目標の達成状況を評価し、必要に応じて調整を行い、プロジェクトの成功を確保する責任があります。まさに、社長自らが腹を括って当たらねば、生産管理システムの導入は成功しません。

「現場の従業員が自分たちの仕事が大幅に変わることへの抵抗があるようです。どうすれば良いでしょうか？」

生産管理システムの導入は変化の一環であり、抵抗は自然な反応です。「生産管理システムなど自分達には必要ない」、「導入したら自分の仕事がなくなる」、「導入賛成組が勝つか負けるか様子見だ」、「口ではYESだが実行しない」等々の従業員の意識、態度はごく当たり前のことです。

業務のプロセスが変わって一時的に現場の負担が増えるかもしれませんが、

従業員に導入の目的とそれによって実現されるメリットを明確に伝えることが重要です。従業員がなぜ協力すべきかを理解できるようにしましょう。

【全社一丸で取り組むポイント】

「生産管理をExcelで管理できますか？」

最近、よく聞かれるようになったキーワードが「脱Excel」です。Excelは多くの企業で利用されていることからも、その使いやすさと機能性は折り紙付きと言えますが、それが今なぜ「脱Excel」と言われるのでしょうか。

Excelは汎用性が高く情報を並べて表を作成する、データの集計を行う、各種の管理台帳を作成するなどの用途で非常に利便性が高いため、業務を問わず多くの現場で利用されています。誰もが一度は使用した経験があるため、作成側もつくりやすいといったメリットがあり、業務のデジタル化を推進する上で、Excelは有効な手段の一つとして活用されてきました。確かに多くの業務を効率化し、業務の改革に役立ってきたことは間違いありません。

しかし、今もExcelにこだわる理由はあるのでしょうか。以前はExcelにデメリットがあったとしても、他に選択肢となる手段がなかったため、Excelを選択するケースがありました。また、「とりあえずExcelで…」ということで使い続けてこられた場合もあるでしょう。

今日では、かつてExcelが得意だと思っていた業務に向けて、より利便性の高いソフトウェアが登場しています。その代表が生産管理システムです。Excelによる生産管理は低コストでカスタマイズ性があるなどメリットがある一方で、同時編集ができない、データ量が増えるほど処理速度が低下する、属人化のリスクがあるなどのデメリットが存在しています。業務効率や生産性の向上、QCDの向上、そして業務の変革となるDXに向けて、新たなソリューションを取り込むことが求められていることを考えると、生産管理業務においては、「脱Excel」の動きは避けられないでしょう。

「生産管理システムを乗り換える時の注意点は？」

「業容の変化、拡大により現在のシステムが業務に合わなくなってきたため、システムを入れ替えたい」、「現在のシステムは機能が少ないため、もっと多くの機能が使えるシステムに乗り換えたい」、「簡易パッケージソフトでは物足りないので、もっと高度な管理ができるシステムにグレードアップしたい」等々、想定していたほどの効果を感じられないようなら、生産管理システムを乗り換える（リプレイス）タイミングだと判断できます。

生産管理システムの乗り換えは一大プロジェクトであり、注意深い計画と評価が必要です。まず、現在の生産管理システムに関する課題や問題点を明確にし、乗り換え後の目標を設定します。何を改善し、どのような機能や効率を求めているのかを把握しましょう。次に、新しいシステムに必要な機能や要件をリストアップします。さらに、様々な生産管理システムのベンダーを評価し、各ベンダーの提供するソリューションを比較します。評価の際には、以下の点に注意を払うと良いでしょう。

乗り換えをご検討のお客様には様々なニーズがあると思いますが、弊社では、それらのお客様に対して、

・システム乗り換えの具体的な進め方

・システム乗り換えでどのように業務が変わるか

・システム乗り換えによる効果

など、分かりやすいご提案、サポートを行ってまいりますので、安心してご相談ください。

特に、お客様の通常業務に加えて、乗り換えに伴う作業が負荷としてか かってくる場合があることも鑑みて、無理なく効果が出るシステム乗り換えを、皆様と一緒になって検討し実現させて頂きます。