メルマガ「DXナビゲーション」バックナンバー:第16号 DXが進まない企業は若者に注目されなくなる!?

DXが進まない企業は若者に注目されなくなる!?

DXは業務の効率化を行い、生産性の向上を目指す上で必要不可欠で、人手不足を乗り切るための有効な手段として広く認識されています。特に、業務の自動化や効率化を促進する技術の導入は、限られた人的リソースを最大限に活用する手段となります。その筆頭となるのが生産管理システムであることは以前から申し上げている通りです。しかし、実は、DXには、その先にもっと重要な恩恵があります。それは、働きやすい環境を提供することで労働者(特に若年労働者)の確保・定着に資する、人材のモチベーションを上げ・成長を促すことができるという点です。今回はそうしたDXの恩恵についてご説明したいと思います。

1. DXは人材獲得・定着でも不可欠

DXは人材獲得にも非常に重要な役割を果たします。現在の企業において、デジタル技術を活用した業務の効率化や生産性向上は、競争力を保つための必要条件となっていますが、それに伴い、人材戦略にも大きな変化が求められています。特に、優秀な人材の獲得や定着を目指す企業にとって、DXの導入は不可欠です。DXが人材獲得・定着に与える影響について考えてみましょう。

(1)競争力のある企業文化の構築

デジタル化された環境で働くことを望む人材は増えています。特に、若い世代は最新技術を活用した働き方や職場環境、効率的な業務を重視する傾向が強く、そうした人々にとって、DXの進んだ企業は魅力的に映ります。企業がデジタル化を進めることで、イノベーティブで先進的な企業文化を築くことができれば、優秀な人材を引きつけ、定着させることができます。

(2)柔軟な働き方の提供

DXはリモートワークやフレックスタイム制度、時短勤務のような柔軟な働き方をサポートします。クラウドツールやコミュニケーションツールの活用によって、場所や時間に縛られずに業務を進めることができ、これが人材獲得において重要な要素になります。特にライフスタイルに合わせた働き方を求める求職者にとって、柔軟な労働環境を提供できる企業は魅力的です。

(3)人材育成とスキルの向上

DXによって、新しい技術やツールを使いこなすスキルが求められます。そのため、企業がデジタルスキルを重視し、従業員に対して継続的なスキル開発や研修を行うことで、人材の成長を促すことができます。これにより、求職者は「自己成長できる環境」を求めてそれを実現できる企業に応募する傾向が高まり、企業は求めるスキルを持つ人材をより獲得しやすくなります。

(4)効率的な採用プロセスの実現

DXを導入することで、採用活動自体も効率化できます。例えば、AIを活用した応募者のスクリーニング(自社の採用基準に合致する応募者を選別し、次の選考プロセスに進める人を絞り込む手法)や、オンライン面接システムを活用した採用プロセスのデジタル化が進みます。これにより、面接や選考にかかる時間を大幅に短縮でき、より多くの候補者を迅速に評価・選定することができます。また、採用活動におけるデータ分析により、最適な人材をターゲットにした採用活動が可能となります。

(5)データドリブンな人材マネジメント

DXを通じて蓄積された人材データを活用することで(弊社のTEDを例に取れば「スキル管理」)、従業員のパフォーマンス、スキルセット、キャリアパスなどを効率的に把握できます。これにより、従業員一人一人に最適なキャリア開発や教育計画を提供でき、人材の定着率を高めることができます。また、データに基づく意思決定ができるため、より精度を高く人材を選定・育成することが可能になります。

(6)ブランド力の向上

DXを積極的に進めている企業は、デジタル先進企業としてのブランドイメージを持ち、求職者に対して強いアピールができます。特にテクノロジー分野で働きたいと考える若手人材にとって、デジタル化が進んでいる企業は魅力的です。企業のデジタル化が進むことで、企業の社会的責任や持続可能性への取り組みも評価され、企業の社会的評価が向上することが、採用活動にも良い影響を与えます。

このように、DXの導入は、単に業務の効率化や生産性向上だけでなく、人材の獲得・定着の面でも重要な意味を持っています。デジタル化が進むことで、柔軟な働き方、スキル向上の機会、効率的な採用プロセスなど、求職者が求める要素を提供できるため、優秀な人材を引き寄せ、かつ定着させることができます。また、企業のブランディングや社会的評価の向上にもつながり、採用活動を有利に進めることができるでしょう。

2. DXは特に若者を獲得、定着させるためには欠かせない要素

DXは、特に若者を企業に引き付け、定着させるためには欠かせない要素です。デジタル技術の進化とともに、若い世代の価値観や働き方が大きく変わってきており、企業がこれに適応することがますます重要になってきています。

現在の若者、特にZ世代(1990年代後半〜2010年代前半に生まれた世代)やミレニアル世代(1980年代前半〜1990年代半ばに生まれた世代)は、インターネットやデジタル技術と共に育ってきた「デジタルネイティブ世代」です。これらの世代にとって、デジタルツールを使いこなすことは日常の一部であり、企業がデジタル化を進めていることは、大きな魅力となります。

若者は、最新技術や革新的なアプローチを取り入れた企業で働きたいと考えており、デジタル化が進んでいない企業に対しては、魅力を感じにくい傾向があります。DXを積極的に進めている企業は、デジタルネイティブ世代にとって非常に魅力的です。

また、若者は、自己成長やスキルアップを非常に重視しています。デジタル化が進んでいる企業では、常に最新のツールや技術を扱うことができ、学びの環境が整っています。DXを進める企業は、スキル開発やキャリアアップの支援に積極的であり、研修プログラムや自己啓発支援の体制が整っている場合が多いため、若者にとっては自己成長の機会が豊富であると感じられます。

現在の若者は、社会的責任や持続可能性に対して非常に敏感です。企業がDXを通じて、環境に優しい活動や社会的責任を果たす取り組みを強化していると、その姿勢が評価されます。若者は、自分が働く企業が社会的価値を提供し、持続可能な未来に貢献していると感じられることを重視します。そのため、DXを進めている企業が、社会的責任を果たしている姿勢を示すことが、若者の採用につながります。

さらに言えば、若者は、データや透明性を重視する傾向があります。データ・ドリブンな意思決定を行う企業は、若者にとって効率的で公平な環境を提供していると感じられます。DXを活用した企業は、データ分析やAIを活用して意思決定を行うため、オープンで透明性の高い企業文化が形成されやすく、これが若者の採用と定着に有利に働きます。

このように、DXは、若者を獲得・定着させるための不可欠な要素であり、デジタル化の進展により、企業はより魅力的な職場環境を提供し、若い世代にとっての企業価値を高めなければなりません。デジタル志向、柔軟な働き方、キャリア成長、イノベーション、社会貢献など、若者が重視する価値を提供できる企業こそが、優秀な若手人材を引きつけ、定着させ、長期的な競争優位性を築くことができるのです。

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