夏季休業は「カイゼン」のチャンス! 生産管理力診断レポート 2.無料診断後の生産管理システム導入相談

前回のお話の続き。熟練の「KAIZEN三四郎」と若手で意欲的ながら悩み多い「ツクル君」の会話。ツクル君が生産管理無料診断を受けて・・・。
『システムの導入』の決断! 導入はゴールではない、『現場のカイゼン』がゴール
ツクル君: 「三四郎さん!おはようございます!」
KAIZEN三四郎: 「おう、ツクル君、元気だな!どうした、何か良いことでもあったか?」
ツクル君: 「はい!先日、無料で受けられる生産管理力の診断をやってみたんです。そしたら、うちの会社はまだまだ課題だらけだということがよく分かって。これを機に、思い切って生産管理システムを導入しようと思ってるんです!」
KAIZEN三四郎: 「おお、それはいい心がけだな!だがな、ツクル君。システムはあくまで道具だ。その道具が、本当に今のうちの会社に必要なものなのか、ちゃんと見極めることが肝心だぞ。」
ツクル君: 「見極め、ですか?」
KAIZEN三四郎:「そうだ。俺たちが失敗する原因は、『課題がぼやけたまま、流行りのシステムを導入してしまう』ことにある。無料診断で課題が見えたのは素晴らしいことだが、その課題を具体的に、『誰が』『何を』『どういう風に』困っているのか、もっと深く掘り下げて考えてみたか?」
ツクル君: 「うっ…、そこまではまだ…。漠然と『生産計画が場当たり的になっている』『在庫の数が正確に把握できていない』という課題認識で止まっていました。」
KAIZEN三四郎: 「そうだろうな。生産計画が場当たり的なのは、なぜだ?『受注の急な変更が多すぎるから』か?それとも『製造工程の進捗が分からないから』か?在庫が正確に把握できていないのは『入庫・出庫の記録が曖昧だから』か?『そもそも棚卸しをしていないから』か?課題の原因は一つじゃない。その根本原因を特定しないままシステムを導入しても、結局は『今までと同じやり方』のままで、システムだけが浮いてしまうことになる。」
ツクル君: 「なるほど…。ただシステムを導入すれば全て解決すると思っていた自分が恥ずかしいです…。」
KAIZEN三四郎: 「恥じることはない。そこからが改善の始まりだ。まずは、無料診断で見つかった課題を一つずつ書き出してみなさい。そして、その課題が起きている『具体的な現場の状況』を、みんなにヒアリングしてみるんだ。そうすれば、本当に解決すべきポイントが明確になってくる。困ったら俺にも相談してくれ。一緒に考えよう。」
ツクル君: 「『システムの機能』ではなく、『現場の困りごと』から考えるということですね!三四郎さん、ありがとうございます!さっそく、みんなに話を聞いてみます!」
KAIZEN三四郎:「その調子だ、ツクル君!『システムの導入』はゴールではない、『現場のカイゼン』がゴールだということを忘れるなよ!

システム導入プロジェクトの立ち上げ
KAIZEN三四郎: 「システムが決まったら、次は「プロジェクトチームを立ち上げる」ことだ。これがシステムを社内に定着させるための最初の、そして最も重要な一歩になる。」
ツクル君: 「プロジェクトチームですか?」
KAIZEN三四郎: 「そうだ。システム導入は、ツクル君一人で進めるものではない。各部門からキーマンを集めて、一緒に進めていくんだ。特に、『現場のことを誰よりもよく知っている人』を巻き込むことが重要だ。
ツクル君: 「なるほど…。各部門の責任者を集めればいいですか?」
KAIZEN三四郎: 「それもいいが、それだけでは不十分だ。責任者だけでなく、実際に手を動かす『若手のエース』や『パソコンに詳しい人』、そして『ベテランの職人さん』にも入ってもらうべきだ。彼らは日々の業務の細かな流れや、紙での管理の課題を一番よく知っている。」
ツクル君: 「確かに!ベテランの方にも入ってもらえれば、現場の反発も少なそうです。」
KAIZEN三四郎: 「その通りだ。そして、プロジェクトチームのメンバーには、『このシステムを導入することで、自分たちの仕事がどう楽になるのか』をきちんと理解してもらう必要がある。システムに現場を合わせるのではなく、『現場の声を吸い上げて、システムをどう運用していくか』を考えることが、彼らの役割になる。
ツクル君: 「チームのメンバーと一緒に『運用のルール』を作っていくということですね!」
KAIZE三四郎: 「そうだ。そのルールは、『誰が、いつまでに、何を入力するのか』という具体的なものに落とし込む必要がある。そして、そのルールをみんなで共有し、徹底する。これが、システムの形骸化を防ぐ一番の薬になる。」
ツクル君: 「プロジェクトチームの立ち上げと、運用ルールの策定…。ありがとうございます、三四郎さん!なんだか、システム導入への道筋がはっきり見えてきました!さっそく、各部門に声をかけてみます!」
KAIZEN三四郎: 「うむ。頑張れ、ツクル君。『導入は一瞬、運用は一生』」だ。焦らず、着実に進めていこう。」

コメント