【2024年最新版】生産管理システム導入の「敵は社内にあり」

生産管理システムの導入や活用には現場の協力が欠かせません。しかし、お客様のところを訪問すると、「現場の従業員が自分たちの仕事が大幅に変わることへの抵抗があるようです。どうすれば良いでしょうか?」 という話をよく聞きます。生産管理システムの導入は社内改革の一環であり、従業員の抵抗は自然な反応だと言えます。「生産管理システムなど自分達には必要ない」、「導入したら自分の仕事がなくなる」、「導入賛成組が勝つか負けるか様子見だ」、「口ではYESだが実行はしない」等々の従業員の意識、態度はごく当たり前のことです。業務のプロセスが変わって一時的に現場の負担が増えるかもしれませんが、従業員に導入の目的とそれによって実現されるメリットを社長自らが明確に根気強く伝えることが重要です。従業員がなぜ協力すべきかを理解できるように徹底しましょう。本稿では、生産管理システムの導入に際して、社員の協力を得て、社員がモチベーション上げて取り組むためにはどうすれば良いのか考えていきたいと思います。

社内に立ちはだかる障害・敵

生産管理システムを導入する際に社内に立ちはだかる障害や敵は、さまざまな形で現れる可能性があります。一般的には以下のようなものがあります。

抵抗感新しいシステムの導入は変化を伴うため、従業員のみならず管理職においても、変化に対する不安や抵抗感を持つ人がいるかもしれません。これは、今まで慣れ親しんできた業務プロセスや社内ルールが変更されることによる不安や、新しいシステムを学ぶ必要があることによるものです。
予算と資金生産管理システムの導入にはコストがかかります。予算の制約や資金調達の問題が敵となることがあります。経営陣がシステム導入に十分な予算を割り当てていない場合や、資金不足で計画が遅れる可能性があります。
組織文化企業の文化や組織の構造が、新しいシステムの導入を妨げることがあります。例えば、上層部と下層部門の間のコミュニケーション不足や、部門間の競合関係がある場合、システム導入プロセスが滞る可能性があります。
リーダー シップの 不足導入プロセスをリードし、関係者を指導するリーダーシップが不足している場合、プロジェクトの成功が脅かされることがあります。リーダーシップの不在や不適切なリーダーシップは、導入プロセスの遅延や混乱を引き起こす可能性があります。

詳しくは後述しますが、これらの敵に対処するためには、導入目的の明確化、適切な導入計画、関係者との密なコミュニケーション、強いリーダーシップが必要です。従業員や関係者の抵抗感を減らすために、十分なトレーニングやサポートを提供することも重要です。また、導入計画を成功させるためには、予算や資金調達、費用対効果の測定、技術レベルの向上にも注意を払う必要があります。

何より大切なのは、5〜10 年先に、どのような ”モノづくり経営” をしたいのか、そのイメージを具体的に描くことです。理想像を描き、全社一丸となってそこに向かって命がけで進めていくという気迫がなければ、生産管理システムの導入は成功しません。

いざ導入しても

いざ生産管理システムを導入しても、現場の人間は「社長が勝手に買ったシステムだから」「システムが悪い」「使い勝手が悪い」とか言って、本来入力しなければならない項目を入力せずにやり過ごしてしまっていることがあります。手抜きしながら、ああだこうだと一人前に使えない理由ばかり並べ立てます。これではまともな運用はできません。

また、「カスタマイズしないと使えない!」という声を聞くことがあります。これもおかしな話しです。多少使い勝手が悪いシステムでも(語弊があるかもしれませんが)、それなりのシステムであれば、カスタマイズなしでシステムに合わせて運用する方が上手くいくケースが多いのです。下手にカスタマイズして、継ぎはぎだらけのシステムになり、結果的に担当者しか使えなくなってしまったという例をよく耳にします。

自社にマッチしたシステムであることが大前提ですが、いったん導入したら、ともかく運用あるのみです。どんどん使いこなしていくことです。システムが根付くまで1〜2年かかることがありますが、プロジェクトチームなどを組んで、根気強く土壌整備から始めましょう。

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「DXセレクション2024」優良事例表彰の広島メタルワークが語るDXの進め方

我が社のDXのポイント  

DXを進める上での苦労や行った工夫】  
当初IT化を進めていたのは社長と1名の従業員のみで、あとは全部敵とも言える状況であった。新たな負担に事務員が泣き出す、数少ないコンピュータを取り合う等々、数々の事件が現場では起こった。しかし、社長自ら強いリーダーシップを発揮して根気強くDXの必要性、意義を説き、何もしないでは会社の存続はないという危機感を訴え続けるとともに、従業員のスキル向上のサポートを継続した結果、次第に理解者が増え、DXを自分ごとと捉える従業員が大勢を占めるようになっていった。  

【DXを進めたことによる具体的な変化】  
かつてはどちらかと言えば職人集団で仕事が属人化していたが、DXの推進により、仕事の見える化、データ化が実現し、暗黙知の形式知化が進んだ。生産性の向上、ムダの排除によるQCDの改善という直接的効果の他に、間接的効果として、従業員にデジタル重視の価値観が確立し、変化にチャレンジする精神、チーム協力とコラボレーションの意識が育まれ、オープンなコミュニケーションが実現した。今後の企業経営にとって、これらの間接的効果は直接的効果に劣らず大きな役割を果たすと期待している。
出所:経済産業省「DXセレクション2024」選定企業レポート

全社一丸となって生産管理システム導入に取り組むポイント

教育訓練の徹底システムの操作方法や利用方法に関する教育訓練を徹底し、従業員が自信を持って新しいシステムを使用できるようにサポートします。
フィードバックの 受け入れ従業員からのフィードバックを歓迎し、システム活用の改善に役立てる姿勢を示すことが重要です。従業員が提案や問題を提出できる仕組みを構築しましょう。
変化管理新しいシステムの導入は”改善”ではなく”改革”です。変化に適応できるよう、従業員との対話を通じて不安や抵抗を理解し、それに対処する計画を立てましょう。
キーマンの指名システム導入を支持する者の中から、他の従業員への影響度の大きいキーマンをリーダーとして選び、周囲を巻き込んでいくことが効果的です。
時間と支援の提供  従業員が新しいシステムを十分理解し、利用するために、必要な時間と支援を惜しまず提供しましょう。
コミュニケーションの強化システムの進行状況や変更について透明なコミュニケーションを維持し、従業員との連絡を頻繁に取ることで不確実性を減少させましょう。
成果の可視化システム導入の成功例や成果を従業員に示し、従業員に新しい方法の価値を理解させましょう。
持続的なサポートシステムが導入された後もサポートし、従業員の疑問や問題が解決されるように継続的に努力しましょう。

生産管理システムは、”魔法の杖” の如く、導入すればすぐに課題を解決できるという安易な考えでは、ものになりません。経営者、管理者、従業員が一体となって創意工夫を図りつつ、使い込んでいかなければ効果は出ません。既存の組織文化やプロセスに変更を加えることは、従業員や組織の一部に抵抗を引き起こす可能性があります。変更への抵抗が生産管理システムの導入を妨げることもあります。下手をすると、生産管理部門のみならず、製造、営業、購買、管理等の部門が大混乱し、部門間の軋轢が生じて、全社員が疲弊するばかりということにも陥りかねません。

生産管理システムは、今後の中小製造業の社運を左右するシステムと言っても過言ではないし、システムの導入は組織内での変革を意味します。社長は変革を受け入れる土壌を社内で醸成し、従業員の支援とトレーニングに積極的に関与しなければなりません。さらに、社長はプロジェクトの進捗と成果を定期的にモニタリングし、目標の達成状況を評価し、必要に応じて調整を行い、プロジェクトの成功を確保する責任があります。まさに、社長自らが腹を括って当たらねば、生産管理システムの導入は成功しません。

弊社では、経営者がいろいろな理由で思い切れず導入を躊躇している例や、せっかく導入したものの、適切な運用に至らず、一向に不良が減らない、利益が出ない等々の改善効果が出ていない例を多数見聞きしています。そうした経験を踏まえて、生産管理システムを効果的に運用するためのサポートをさせていただきます。お客様のお困りごとがございましたら、どうぞご連絡ください。

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