【KAIZEN三四郎ものづくり道場】 不良ゼロを実現する!品質管理 徹底講座 連載第2回:品質とコストの真実! 不良削減がコストを下げる“逆転の法則”

ものづくりの基本:「不良」の定義と「公差」の役割

ツクル君: 三四郎さん、第1回で設計品質と製造品質の関係がよくわかりました。今日から不良を防ぐ基本を学びたいんですが、そもそも「不良」って、製造現場では具体的にどういうものを指すんですか?

ツクル君: なるほど。図面通りでなければ不良、ということですね。でも、三四郎さん、いくら精密な機械を使っても、寸法を「10.00 mm」と定めても、10.00000mmを寸分の狂いもなくつくるのは不可能ですよね?

ツクル君公差…許容できるズレの範囲、でしたね。

ツクル君: なるほど!つまり、「不良」とは、製造された製品が、この設計で定められた公差の範囲を外れてしまったもの、と言い換えられるわけですね。

品質向上がコストを下げる!“逆転の法則”のメカニズム

ツクル君: 品質を良くしてバラツキを少なくしようとすると、精密な機械の導入や、高度な検査が必要になって、どうしてもお金(コスト)がかかりますよね?品質向上は、コストアップとトレードオフの関係にある、と教わりましたが…?

ツクル君:でも、三四郎さんの教えは違うんですよね?

ツクル君: 不良を減らすとコストが下がる…?不良品を捨てる費用は減りますけど、それだけでトータルコストが下がるほどになるんですか?

ツクル君: そうか!これらのムダなコストが、品質が悪いことによって発生していたんですね!

「品質コスト」を制する者がコストを制す!失敗コストのムダを徹底解剖

ツクル君: PAF法?なんだか難しそうですね。詳しくお願いします!

ツクル君: なるほど。失敗コスト(内部・外部)が、品質が悪いことで発生するムダなコストなんですね。特に外部失敗コストは、金額だけでなく会社の信用を失うので、最も避けなければならない費用だと感じます。

ツクル君予防こそ最大のコスト削減策!この考え方を現場で徹底していきます。次回はいよいよ、不良ゼロへの挑戦! ですね!楽しみにしています!

【今日のKAIZEN三四郎の教え】コスト削減の最短ルート

品質を上げることは、コストを下げる最良の道。
不良が出れば、手直し・廃棄・クレーム対応と、目に見えないムダが膨れ上がる。
一方、品質をつくり込めば、これらのムダを未然に断てる。
だからこそ、「品質=コスト削減の最強の武器」と心得よ。
ムダを減らす最短の道は、不良を減らすこと。
火を消すのではなく、火を出さぬ仕組みをつくる──それが真のTQC精神じゃ。

<今日の専門用語>
工程能力指数(Cp,Cpk):製造工程が どれだけ安定して、設計の公差内で製品を作れているかを示す指標。
 Cpとは「工程の精度のよさ(ばらつきの小ささ)」を表す数値。
 Cpkとは「その工程が中心(設計値)にどれだけ近いか」も含めた、実際の不良の出にくさを 示す数値。
PAF法(Prevention-Appraisal-Failure法)
 品質コストを予防(P)・評価(A)・失敗(F)の3つに分類し、予防投資で失敗コスト最小化を目指す手法。
トータル・クオリティ・コントロール(TQC)
 全社一丸で品質を管理・改善し、顧客要求を満足させる活動。後のTQMの基礎。
適合コスト/不適合コスト
 適合コスト:製品を規格に合わせるためにかかるコスト(予防・検査など)。
 不適合コスト:製品が規格外だったためにかかるコスト(手直し・クレームなど)。

次回第3回は、不良ゼロへの挑戦! ──「ひもスイッチ」と「自働化」で品質をつくり込む、に迫ります!

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