【KAIZEN三四郎ものづくり道場】DX推進の壁!社内の反対者を味方につける!

DX推進の最大の壁は、“人の抵抗”——三四郎が教える乗り越え方
DXを進めたいのに、現場から「そんなの必要ない」と反発される——。
そんな経験、ありませんか?
中小企業のDX推進は、技術導入だけでなく「人」の問題が大きな壁となることがあります。特に、長年培われたやり方を変えることへの抵抗感は根強く、社内の反対者にどう対処するかが成功の鍵を握ります。
今回は、現場に精通したベテランコンサルタントKAIZEN三四郎と、DX推進に奮闘するサクラ製作所のツクル君の会話を通じて、DX推進の反対者を味方につける具体的なステップを見ていきましょう。
シチュエーション:DX導入に際し、社内から強い反対意見が出ているサクラ製作所
ツクル君: 三四郎さん、参りました…。今回導入しようとしている生産管理システム、現場のベテラン社員から猛反対にあっているんです。「今のやり方で十分」「面倒なことはしたくない」って…。
そして何より、心細いのが社長の態度なんです。
「DXは今後の会社の命運を握る!しかし、私は現場の細かいことは分からないから、ツクルに全て任せる!」
…と、ビジョンは力強いんですが、具体的な予算や、抵抗する現場への牽引役は全て私に丸投げで。社長の「本気度」が社員に全く伝わらないから、余計に「現場の抵抗」が強くなっている気がして…。

KAIZEN三四郎: なるほど、伝統あるサクラ製作所さんらしい、健全な反応じゃな。社長は「任せた」と言っているようで、実は「現場に責任を押し付けている」と見られてしまう典型的なパターンじゃな。なるほど、伝統あるサクラ製作所さんらしい、健全な反応じゃな。
ツクル君、その反対意見を「壁」と見るか、「宝の山」と見るかで、DXの成否は大きく変わるぞ。
ツクル君: 宝の山、ですか? 彼らの意見は、単なる変化への抵抗にしか見えません…。
KAIZEN三四郎: 落ち着きなさい。反対する人というのはな、誰よりも現場の「現状」を深く理解し、愛している人たちだ。だからこそ、「本当に今のやり方を変える必要がどこにあるのか?」という、最も鋭い、本質的な問いを投げかけてくれているんだ。
ステップ1:反対者の声を“聴く”ことで本音をつかむ
KAIZEN三四郎: まずやるべきは、反対意見を「潰す」ことではない。「深く聴く」ことだ。彼らが本当に不安に思っていることは何だと思う?
ツクル君: えーと…、操作が複雑で覚えるのが大変、とか、慣れるまで時間がかかって仕事が遅くなる、とかでしょうか。
KAIZEN三四郎: それは表面的なものかもしれん。その奥には、「自分の長年の経験やスキルが、新しいシステムによって不要になってしまうのではないか?」という、仕事への誇りと存在意義を失うことへの恐れが隠れていることが多い。
ツクル君: ああ…。確かに、今の職人さんの仕事は、システムでは測れない「勘」や「経験則」に頼っている部分が大きいですから…。
KAIZEN三四郎: そうじゃ。だから、単に「便利になりますよ」と言うだけでは響かない。「あなたの経験は、新しいシステムによって『不要』になるのではなく、『より価値を高めるために』解放されるんですよ」と伝える必要がある。
ステップ2:小さな成功体験で信頼を育てる
ツクル君: 具体的にどう説得すれば良いでしょうか?
KAIZEN三四郎: 「全体を変える」話は、いったんストップしなさい。彼らにとっての小さな、しかし確実なメリットから説明するんだ。例えば、システム化によって、現場のベテランが一番嫌がっている「手書きの報告書作成」がなくなればどれだけ楽なるか、とか。
ツクル君: それなら負担が減ると実感しやすいかもしれません!
KAIZEN三四郎: 小さな成功で構わない。新しいシステムを導入した結果、「残業時間が10分減った」「探していた図面が一瞬で見つかった」など、ベテラン自身が『楽になった』と感じる体験をしてもらうことが重要だ。
ステップ3:反対者を“現場アドバイザー”にする

KAIZEN三四郎: そして最も大切なこと。反対者を「敵」として扱うのではなく、「このシステムを本当に現場で使えるものにするための最も重要なパートナー」として巻き込むんだ。
ツクル君: どういうことですか?
KAIZEN三四郎: 例えば、反対の急先鋒だったベテランに、「このシステムの入力項目、現場の作業効率を考えたら、どういう順番が一番打ちやすいですか?」「この機能、今のうちの現場だと逆に邪魔になりませんか?」と、システムの設計段階から意見を求めるんだ。
ツクル君: 反対者を、システムの「現場アドバイザー」にする、ということですね!
KAIZEN三四郎: その通り!彼らは、システムの問題点を見抜く能力は誰よりも高い。彼らが「これなら使える」と太鼓判を押せば、他のメンバーも安心して受け入れることができる。反対者が、最強の協力者に変わる瞬間じゃ。

まとめ:反対の声は「現場愛の裏返し」と心得よ
KAIZEN三四郎: ツクル君、忘れるな。社内の反対者は、変化を恐れているのではない。自分たちの仕事や会社が、中途半端なシステムでダメになることを恐れているのだ。その「現場愛」を真正面から受け止め、彼らが「これは自分たちのための変化だ」と感じられるよう、丁寧に接しなさい。
ツクル君: ありがとうございます、三四郎さん!反対者の声を、DXを成功させるための羅針盤として活かしてみます!まずは、現場のベテランにコーヒーでも淹れて、「何を一番面倒だと感じているか」を聞きに行くところから始めます!
【KAIZEN三四郎の金言】
社内の反対意見は、DX推進を妨げる「壁」ではない。
それは、システムを真に現場に根付かせるための「現場愛の証」である。
最も声を上げる人を、システムの最強の現場アドバイザーにせよ。
あなたの会社でもDX推進の“壁”に悩んでいませんか?
プロフェクトでは、現場に寄り添ったDX導入のご支援を行っています。

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