【2023年最新版】中小製造業におけるDXとは?生産管理システムを活用したDXの方法を解説!

DXが必要な背景

 DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉、今や聞かない日はないくらいです。それだけ時代の大きな潮流となっています。昨今のコロナ禍の影響も受けて、IT企業のみならず、どの業界においても、我先に…と注目を寄せています。生産管理システムの話題に入る前に、まず、DXとは何なのか?という点について押さえておきましょう。

 DXは、Digital Transformationの略語です。Transformationは「変容」という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります。デジタル技術を用いることで、生活やビジネスを変容させることをDXと言います。

 実は、日本のデジタル改革は諸外国に比べて遅れており、「デジタル敗戦」とも呼ばれています。日本のデジタル戦略は1994年の「高度情報通信社会推進本部」から始まりました。以降、政権が変わるたびに、新たな方針が打ち出され、都度、莫大な予算が投じられてきたものの、改革は、浮かんでは消えを繰り返し停滞してきました。そうした中で近年注目を浴びているのがDXです。今や、DX抜きに日本経済の再生は難しいというのが、官民共通の認識でしょう。

 岸田文雄首相が2022年6月に打ち出した「デジタル田園都市国家構想」には総額5.7兆円の予算が投じられる予定です。かつてのように、”看板の付け替え” はもはや許されません。政府は鳴り物入りでデジタル庁も発足させました。デジタル化を突き動かしたのは新型コロナの感染拡大だったいう面は否めませんが、コロナ禍で進んだその時計の針を元に戻さないことが重要です。

DXの肝は”変革”にあり

 経済産業省が発表した『「DX 推進指標」とそのガイダンス』(令和元年7月)では、DXを以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

『「DX 推進指標」とそのガイダンス』 経済産業省

 つまり、DXをわかりやすく言うと、「ITを導入・活用して競合他社との競争に負けない企業づくりをしましょう」ということです。大切なことは、DXは、ただ単に製造現場や情報管理においてITツール等を導入し活用することだけではなく、業務そのものの進め方や製品・サービスの売り方も「変革」するという点にあります。

 例えば製造業がDXを検討する上で、必ずと言っていいほど最初に挙がるテーマが、ペーパーレス化です。無理やりペーパーレス化は実現したものの、データ入力や集計などの業務は人が行うままで手間は変わらず、肝心のデータ活用が思うように進んでいない、など残念なケースを耳にします。データを収集して終わりではなく、収集したデータの分析と活用により、デジタル化を組み合わせて業務全体を効率化させることが正しいDXと言えるでしょう。

DXとデジタイゼーション/デジタライゼーションとの違い

 DXと似た用語として、デジタイゼーション(Digitization)やデジタライゼーション(Digitalization)も存在します。非常に混同しやすいのですが、経済産業省の取りまとめた「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」(令和2年12月28日)に記載されている以下の図を頭に入れておくと理解しやすいでしょう。

 このように、DXが全社規模で価値創出にこだわるデジタル化であるのに対し、デジタライゼーションは特定のプロセスに限ったデジタル化、デジタイゼーションはアナログでおこなってきた業務のデジタル化を指します。デジタイゼーションをより進化させたものがデジタライゼーション、それをさらに進化させたものがDXと捉えると、イメージしやすいかもしれません 

 なお、DXレポート2には、DXを進めるのに必ずしも一番下の段階であるデジタイゼーションから順に実施をする必要はないといった趣旨の記載があります。しかし、現実的にはデジタイゼーション、デジタライゼーションの実施がなければDXの実施は不可能であり、デジタイゼーションから順に段階を踏んでいくのがもっともスムーズだと考えます。いきなりスマートファクトリー目指して最終形のDXを行うには多額な設備投資が必要になります。まずは、デジタイゼーションのスモールスタートで良いから実行することです。

生産管理システムを導入している中小企業はまだ30%程度

 このように昨今のDX推進の追い風を受けて、大手企業の工場では、生産管理システムの導入が当たり前になっているものの、中小企業ではまだ普及度が低いのが現状です。では、実際はどれくらいの中小企業が生産管理システムを導入しているのでしょうか。公的な統計データは見当たらないのですが、弊社では現在、従業員数10〜99人規模の中小板金製造業のうち30%程度の企業でしか生産管理システムは導入されていないと考えています。残る70%の企業では、いまだに人手と紙を介して情報・業務を管理し、生産計画は経験と勘とコツで行うなど、人手による作業に頼っているのが現状だと言わざるを得ません。

製造業DXは生産管理システムから始めるべし

 我が国の労働人口は、今後20年で約20%減少、40年間で約40%減少すると予測されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成29年推計))。労働人口減少による課題をどう乗り切るかは喫緊のテーマであり、中小製造業は、労働時間短縮と業務効率化を進め、働き方改革を推進していかなければなりません。その成果を出すためのカギとなるのは労働生産性の向上であり、その重要性は欧米諸国と比べて顕著です。OECDのデータでは、2020年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38か国中23位、一人当たりの労働生産性は28位と低迷している状況にあります。かつて日本の強みとされた製造業の競争力も影を潜め、また、新興国の技術発展はめざましく、日本に追いつけ・追い越せと、海外企業はますます力をつけています。

 このように国内外の競争環境がますます厳しくなる中で、生産性向上への取り組みの必要性は高まるばかりです。現状の複雑な生産管理をマンパワーのみで対応することは困難です。受注や生産、品質、在庫などの情報をデータ化し、社内の統合されたシステムによって一元管理する必要があります。そのためには今こそ生産管理システムを導入し、現場、間接部門ともに、経験と勘とコツに頼る工場運営を改めなければなりません。経営の「見える化」を実現し、ペーパーレス化、データ活用を進めていくことが不可欠となります。

中小企業は急な注文が多い…!

政府の支援策を活用すべし

 政府がDXを進めている中、補助金や税制優遇措置の公的サポートにおいても魅力的なものが用意されています。是非とも、それらを活用して、他社に一歩先んじて、先駆者利益を獲得しましょう。

補助金

「サービス等生産性向上IT導入支援事業」(IT導入補助金)

例)通常枠・B類型:1/2以内、150万円〜450万円

6次締切:令和4年10月3日、7次締切:10月31日、 8次締切:11月28日

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(ものづくり補助金)

例)デジタル枠:2/3以内、1,250万円(従業員規模21人以上)

12次締切:令和4年10月24日、令和4年度は13次締切までの予定

税制優遇措置

「中小企業経営強化税制」(令和5年3月31日まで延長)

例)即時償却または10%の税額控除(資本金3,000万円以下の法人または個人事業主)

「経営力向上計画」必要

「中小企業投資促進税制」(令和5年3月31日まで延長)

例)30%の特別償却または7%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人については税額控除の適用なし)

これらの支援策が積極的に活用されて、30%という現在の生産管理システムの導入比率は、2025年までに50%を超えると弊社では見込んでいます。経済産業省も「スマートファクトリーロードマップ」を公開して積極的に工場のDX化を推進しており、その第一歩として生産管理システムの活用を是非とも考えるべきです。 以下において、生産管理システムの概要、導入に際しての留意点を説明していきます

貴社にはこのような課題は存在していませんか?

 不良の多さは、納期に余裕がないことと品質は工程で作り込むという「自工程完結」の管理ができていないことに起因します。遅延や納期延期などの問題は、受注情報と生産情報がうまく連携できず、部門間の情報伝達が遅滞することが原因の一つとしてあります。また業務の流れの分断により起こる業務プロセスの複雑化が本来必要のない作業によるミスを招き多くのムダを生んでいるケースもあります。

 生産管理業務は多岐に渡るため、ある程度の企業規模になるとマンパワーで管理することに限界が訪れます。それまでは、社長の目の届く範で管理されていたことが、やがて立ち行かなくなります。そこで活用されているのが生産管理システムです。

 生産管理システムには、手作業やExcelなどでは管理しきれない、生産管理に必要不可欠な複雑で細かい機能が備わっており、システムを導入してデータを活用した方が精度の高い管理業務を行うことができ、生産性向上や業務効率化に繋がります。

生産管理システムで何ができるのか

 日本工業規格(JIS)が定めている生産管理システムの定義は、「生産管理を系統的に行うために、生産に伴う現品、情報、原価(価値)の流れを統合的、かつ総合的に管理するシステム」です(Z8141:2001)。

 どうも具体的な内容がわかりづらいですね。つまり、製造現場の生産計画、工程管理、品質管理、在庫管理、そして各工程の全体的なコスト管理といった生産工程のあらゆる情報を、リアルタイムに見える化して一元管理するためのシステムということです。重要なのは、リアルタイムに見える化を図ることにあります。従来の管理方法では、受注、売上は営業、生産は製造、購買は資材調達部門など、担当部署が異なることで、「○○に聞かないとわからない」といった情報の属人化や、他部署の情報が見えないなどの課題がありました。生産管理システムはこれらの課題を解決し、生産性向上、業務効率化に貢献するものです。

 業務負担の軽減や作業ミスの削減、効率化に貢献する生産管理システム。煩雑な業務が整理されるだけでなく、現場の正確なデータを一元的に把握することは、経営判断や意思決定の迅速化にもつながります。働き方改革や人材の定着といった、副次的な効果も得られるでしょう。

生産管理システムを選定する際に何に注意すべきか

1 フル機能がワンプライスで使えものを選ぶべき

 生産管理システムという名称がついていても、機能制限や端末制限を行えば、それは単なる、「受発注システム」「在庫管理システム」「図面管理システム」であり、生産管理システムと呼ぶことはできません。

 生産管理の機能は、人間の臓器と同じで、どれか一部でも働きを止めたら、生産管理ではなくなります。中小製造業にとって何より重要なのは、部分最適ではなく、生産工程全体の最適化です。機能売りのシステムは、個別工程の効率を上げることはあっても、全体最適の視点から見れば、中小製造業の改善効果を阻害するものでさえあると考えます。

 一見安く思えるシステムが、後からオプションの機能追加で、どんどん価格が積み上がっていくという例を多数耳にします。結局は最初提示された価格の2倍、3倍になったということもあります。機能制限は使う側が決めるものであり、値段で左右されるものではありません。

2 追加料金なしで全社員が1人1台持てるものを選ぶべき

 もう一つ注意しなければならないのは、1人1台、端末が使えるかどうかです。従来型では、台数制限があるために、端末の前に列ができるといったことが発生していました。全従業員が1人1台使えなくては、誰でも・いつでも・どこでも、という「見える化」の効果を引き出すことができません。最新情報を常に共有しているから、やるべきことの優先順位が明示され、打ち合わせが激減し、ものづくりにかける時間を最大化できるのです。では、いざ端末を増やそうとすると…。また1台につき○○万円の費用が余計にかかって。ここでも、最初に想定していた以上の大きな費用が発生してしまいます。

3 プロフェクトのTEDは?

 弊社プロフェクトの生産管理システムTEDは、ワンプライス。一回買い切りのシステムです。後からオプション追加で○○万円・・・というようなことはなく、搭載機能のすべてを初めから利用できます。当然、OSのアップデートにも無料対応。維持・管理にかかるコストを最小限に抑えることで、皆さま中小製造業を支援します。

 また、TEDは100台まで追加料金なしで利用できます(サイトライセンス、クライアントフリー)。これによって、1人1台の端末導入を実現。個別の端末保有により正確な進捗データの取得、手元での図面、情報の共有などの操作も非常に簡単にできます。全社員がリアルタイムで情報共有できることは大きな強みです。  TEDは、現場、現物、現実を第一にした中小製造業のための生産管理システムです。詳細は下記の機能ページより、ご覧ください。

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