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2021/08/02 (Mon)

ニッケル系ステンレス冷延薄板(SUS304)の国内店売り市場
で、今秋以降に需給タイト感が強まる見通しです。新型コロナ影響
による落ち込みから需要が回復する一方、春以降に東アジア材市況
が急騰し、国内の輸入材市況も急上昇局面を迎えています。足元の
SUS304冷薄需給はタイトではありませんが、「国内メーカー
に供給余力がない上に輸入材が扱いにくい状況にあり、秋口以降に
向けて玉の確保が大事になっている」(扱い筋)。BA材やクロム
系のSUS430冷薄などはすでに需給がタイト化し、「品薄感は
今後さらに強まる」(同)とみる向きが多くなっています。

全国ステンレス流通協会連合会が先月30日公表した6月の鋼板流
通統計によると、ニッケル系冷延鋼板販売量は前年同月比24%の
増加となります。このうち、全国ステンレスコイルセンター工業会
(JSCA)統計は24%増、商社・量販店統計は28%増で、新
型コロナ影響の落ち込みからの回復が店売り全般で進んでいること
を示しました。
一方、店売りニッケル系冷薄需給の指標とされるJSCA統計の在
庫率では、6月は2.1カ月で若干の多め感を示しました。多くの
扱い筋は「在庫率が2カ月超でも多め感はない」としますが、タイ
ト感が生じる水準ではありません。
需給タイト化の観測が急速に広がっているのは、5月以降、韓国、
台湾、中国の東アジア材の輸入契約価格が急ピッチで上昇している
ためです。欧州・アジアの需要回復、ニッケル・クロム原料高、中
国の増値税還付撤廃、韓国の通商問題など複合要因によりますが、
「価格で折り合えなければ数量を減らすしかない」(同)状況で、
「8月以降の入着は明らかに減少する」(同)とみる向きが大勢を
占めます。

SUS304冷薄店売り市場における輸入材比率は局面によって変
化しますが、3割は超えています。足元では、輸入材の入着状況が
需給動向の鍵を握っています。



2021/07/30 (Fri)

もはや日本人の生活様式に不可欠ともいえる温水洗浄便座(以下、
温水便座)は、多くの医療機関でも導入されていますが、温水便座
を介して多剤耐性緑膿菌(MDRP)を伝播させるリスクがあると
東京医科大学病院感染制御部・感染症科准教授の中村造氏が第31
回欧州臨床微生物学会議(ECCMID 2021、ウェブ開催7
月9〜12日)で報告されました。ECCMIDはリリースを発表
し、英国のTimes、Daily Mailなどでも報じられま
した。

◇ノズルを介して院内拡大する可能性

中村氏らは、2020年9月〜2021年1月に同院血液病棟トイ
レに設置した温水便座のノズルから検体を採取しました。このトイ
レを使用していたのは、重症敗血症2例を含むMDRP感染患者3
例でえす。DNAフィンガープリント法を用いてノズルから採取し
た検体と3例から検出されたMDRP株が同一株かどうかを調べま
した。

MDRPはイミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサ
シンなど、少なくとも2種類の抗菌薬に耐性を示す株と定義しまし
た。
解析の結果、患者検体と温水便座ノズルの検体で株が一致し、全て
の検体で緑膿菌ST235クローンが優勢でした。そのため、温水
便座の使用を介して菌の移行が生じた可能性が示唆されました。

同氏は「今回の発表は、温水便座使用と院内感染の関連性について
検討した初の報告であり、今後の感染制御策に大きな影響を及ぼす
と考えられる」と述べました。
「この知見はMDRPが患者コミュニティー内で伝播される可能性
を示しており、汚染された温水便座のノズルを介して院内に拡大す
る懸念がある」と同氏は指摘しています。その一方で、手指衛生や
清掃・環境整備といった感染症対策が十分に行われていれば、患者
の免疫系が低下した場合も感染拡大を抑制できるとしています。

ただし今回の結果は、単一の医療機関病棟における小規模研究に基
づくものであり、遺伝子解析では患者からノズルへの感染移動なの
か、その逆なのかは見分けられないなどの限界もあると付言しまし
た。



2021/07/29 (Thu)

頭の中で思い浮かべた言葉をリアルタイムで画面に文字で表示して
くれる「ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)
」が誕生しました。
その最初の実験では、麻痺のある30代の男性が頭の中に単語をイ
メージすることで、画面を介した会話ができるようになったそうで
す。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校などのグループが進める
この研究には、FacebookのVR/AR開発部門Reali
ty Labsやアメリカ国立衛生研究所などが出資しています。
 
・従来の方法の問題点

障碍などにより会話が不自由になってしまった人たちの脳をコンピ
ューターにつないで、コミュニケーションを支援するシステムはこ
れまでにもありましたが、それらは思考で画面上のカーソルを操作
して、文字をタイピングするというやり方でした。
しかし一般的な自然な会話では1分間に150〜200単語が話さ
れる(英語の場合)ことを考えると、そうしたやり方では普通の会
話についていくことができません。
一方、『New England Journal of Med
icine』(7月15日付)で紹介されている新しいシステムは
頭の中で思い浮かべた文章をそのままダイレクトに画面に表示する
ことができます。

・脳内の単語をニューラルネットワークで学習

体が麻痺して口がきけなくなってしまった人であっても、何かを話
そうとすれば、脳は顎や喉を動かそうと信号を送ります。
そこでデビッド・モーゼズ博士らは、15年前に脳卒中にみまわれ
完全に話ができなくなった男性の脳に電極アレイを移植します。
それから男性に50種の単語を思い浮かべてもらい、そのときの脳
の活動をニューラルネットワークに学習させました。
これによって男性が話そうとする脳内の単語をリアルタイムで検出
して、それを画面に表示させられるようになったとのことです。
実験でたとえば「水いる?」と訊かれた男性は、画面に「喉は乾い
てないよ」と表示させて返答して見せたそうです。

・アルゴリズムを改善することで更に正確に素早く

今のところ開発の初期段階にあり、自然な会話スピードで文章を表
示することはできません。このシステムが読み取れるのは、せいぜ
い1分間に18単語程度です。脳内の単語を読み取る正確さも75
%ほどでしかありません。
それでも学習し、そこから予測できるコンピューターが、会話の不
自由な人にとってどのような意味を持つのか示すことはできたとの
ことです。システムの正確さや速度は、脳活動を解析するアルゴリ
ズムを改善すればもっと向上するそうです。
こうした研究はほかのグループも行なっており、たとえば米ハワー
ド・ヒューズ医学研究所は最近、頭の中で文字を手書きしてもらい
それを読み取ることで画面に文章を表示するというシステムを発表
しています。



2021/07/28 (Wed)

FBI(連邦捜査局)は、スマートフォンの位置特定に用いられる
技術を車内Wi−Fiに応用し、自動車の監視を行っているそうで
す。
「スティングレイ」(Stingray)の名称で知られる基地局
シミュレーターは、基地局になりすまし、近辺にあるあらゆるデバ
イスを強制的に接続させる装置です。通常は携帯電話の位置の把握
に用いられますが、FBIがこの装置を使って車内Wi−Fiを搭
載した車両を測位していることがフォーブスが入手した捜索令状の
申請書類で明らかになりました。

車内Wi−Fiも、携帯電話と同じように基地局に接続してデータ
の送受信を行うため、警察が捜査対象車を見つけるためにこの技術
を用いるのは理に適っています。しかし、実際に利用していること
が公式資料で確認されたのは今回が初めてとなります。

FBIは、5月にウィスコンシン州でスティングレイの使用を申請
しました。測位対象はダッジデュランゴのヘルキャットで、持ち主
の男は麻薬取引と銃器所持で起訴されています。
FBIは、以前に容疑者と関係のある黒色のジープを別の手法で監
視する許可を得ていました。これらの手法も、従来は携帯電話をト
ラッキングするのに用いられていたものでした。その1つである「
ペンレジスタ」は、デバイス間の接続データを通信業者から取得す
るというものです。

もう1つは「ping warrant」と呼ばれる技術で、デバ
イスが接続している基地局の位置を示すものです。これらの技術を
駆使した結果、FBIは男がジープを下取りに出し、代わりにダッ
ジを入手した車の販売代理店を特定しました。
この後、FBIは基地局シミュレーターを用いることを決め、使用
許可を申請しました。FBIは申請理由として、「ダッジの多くが
セルラーモデムを搭載している。これらのセルラーモデムには固有
のID番号が割り振られており、携帯電話と同じように履歴データ
を生成する」と記載しています。

申請書には、他にも次のように記載されています。「これらの履歴
データを用いることで、対象車両の位置、行動エリア、居住地や頻
繁に訪れる場所を特定することができる。多くの自動車メーカーは
AT&Tかベライゾンと提携して車内Wi−Fiサービスを提供し
ている。AT&Tが提供するオープンソースの情報によると、20
21年式ダッジデュランゴヘルキャットにはAT&TのWi−Fi
ホットスポットサービスが搭載されている」
別の書類によると、スティングレイはうまく機能したようで、追跡
していたダッジは車庫の中に停車している可能性が高いということ
でした。

容疑者のShaft A. Darbyは、3つの事件で起訴され
ていますが、いずれも無罪を主張しています。彼は3月に起訴され
7月中旬に逮捕されました。

■無関係の車両のデータも収集

スティングレイの問題点は、地域内にある全てのデバイスからデー
タを取得することにあります。つまり、罪を犯していない人のスマ
ートフォンや車からもデータを吸い上げてしまうのです。だからこ
そ、政治家たちはスティングレイを導入するためには十分な理由を
記した令状を義務付ける法案を提案しています。また、ウィスコン
シンの事例のように、使用申請書には次のような免責事項が記載さ
れています。
「捜査に用いるデバイスは、近くにあるデバイスの通信サービスを
妨害する可能性がある。捜査対象でないデバイスのサービス中断は
短時間で一時的なものだが、捜査において、このような通信妨害を
最小限にとどめるよう心がける」
また、容疑者以外から取得したデータは削除することを約束してい
ます。

今回の事例は、車がタイヤのついた通信ネットワークであり、車か
ら取得できるデータは政府機関にとって有益であることを示してい
ます。過去にフォーブスが報じた通り、警察が車のエアバッグシス
テムやブレーキライトモジュールから位置情報を取得したケースも
あります。また、警察はGM傘下の「OnStar」や、フリート
マネジメントを提供する「Geotab」や「Spireon」の
ように車載テレマティクスシステムを通じて数百万台の車両をトラ
ッキングしている企業に位置情報を提供するよう要請したこともあ
ります。
「現代の車はもはやタイヤとエンジンだけでなく、コンピュータや
携帯電話でもあることに多くの人が気づいていない。これらの機能
は運転手にとって便利だが、我々がどこに行って何をするといった
データを生成する。これらの車両情報の取り扱いに関しては、携帯
電話やノートパソコンのデータと同じように個人情報を高いレベル
で保護することが重要になる」とACLU(米国自由人権協会)の
Speech,Privacy,and Technology 
Projectで所長代理を務めるNate Wesslerは述
べています。



2021/07/27 (Tue)


国土交通省は、高層マンションなど建築物の電気設備室について、
豪雨による浸水被害が想定される地下ではなく、地上階への設置を
促します。
自治体のハザードマップを参考に、浸水の恐れが小さい高さに置い
た場合には、建物の大きさを規制する容積率の緩和を認めます。
そしてこのような考え方を自治体に通知し、活用を求めています。

高層マンションでは、地下に変電設備や非常用発電設備を置く例が
多くあります。しかし、2019年の台風19号による豪雨では、
首都圏のマンションで雨水が地下に流れ込み、電気設備が浸水し、
エレベーターや給水ポンプが使えなくなる被害が相次ぎました。

国交省はこれから新築される建築物について、災害リスクを考慮し
た設計を促したい考えです。建築基準法には、建物の延べ床面積に
対する機械室の面積の割合が著しく大きい場合、容積率を緩和して
より大きな建物を建てられる特例があります。同省は、浸水リスク
の小さい階に電気室を置く場合にも特例の適用が可能との考え方を
明確化し、自治体の判断により、制限を超えて容積率を設定できる
ことを伝えました。

国交省はこのほか、経済産業省と連携して、電気設備の浸水対策に
関するガイドラインを20年に策定しました。電気室を移設できな
い場合でも、出入り口に止水板や防水扉を設置するなどして機能を
確保するよう設計者や管理者に求めています。



2021/07/26 (Mon)

会議には資料が付き物です。1枚の資料もなく、ただ人だけが集ま
って議論されるような会議はあまり想像できません。
また、仮にそのような会議が行われたとしても、会議の有効性や生
産性は、あまり期待できないでしょう。

資料がなければ、議論のテーマや目的、前提となるデータや諸条件
を参加者で正しく共有することができません。
そのような状態で議論を重ねても、単に「みんなで集まって話し合
いました」というアリバイ作りにしかならないでしょう。
会議に資料は不可欠です。そして、よい会議は「よい会議資料」か
ら生まれるのです。

さて、よくある会議資料として見受けられるのが、「パワーポイン
ト」に「箇条書き」で要点を書き込んだものです。それをプロジェ
クターで映しながら説明を加えるというプレゼンは、説明する側も
資料作成が簡便で、聞く側もよく整理された内容を聞けるというこ
とで、非常に多くの企業や団体で行われていると思います。
しかしアマゾンでは、「パワーポイント」や「箇条書き」の会議資
料を使うことはほとんどありません。なぜならアマゾンでは、会議
の資料は「文章(ナレーティブ)形式で書く」というルールがある
からです。通常「ワード」で作成されることが多く、印刷され会議
時に配布されます。あの最先端デジタル企業で、文章形式の資料が
多用されているというのは少し意外な話かもしれません。

しかもこの資料は通常、会議前もしくは会議時に配布されるのです
が、参加者は必ずしも前もって読み込んでくることは期待されてい
ません。なぜならば「その場で読んですぐに理解できる文章を書く
」ことが資料作成の必須条件となっているからです。

なぜアマゾンでは箇条書きやパワーポイントが禁止されているので
しょうか。それは箇条書きだと、行間を読むことで、人によって解
釈の違いが生じやすいからです。
また発表者も行間にさまざまな思いや考察を埋め込んで説明するこ
とが多いので、後日それらを思い出そうとしても非常に難しいから
です。皆さんも、先週行われた会議の内容を事細かに思い出すこと
はできないと思います。それが、箇条書きのパワーポイント資料だ
とより顕著に表れてしまうということです。

例えばパワーポイントのプレゼン資料に「最高のカスタマー・エク
スペリエンスを提供します」と書いておいて、そのために具体的に
何をやるのかは、プレゼンの当日に口頭で説明するとします。
そうした場合、会議の出席者には詳細がその場で伝わるかもしれま
せんが、後日その資料を見直したときや、その会議に参加していな
い他者がその資料を見たときにはどうでしょう。「たしか、こうい
う話だっただろう」とか「こんなことをするって話だよね」と勝手
に解釈してしまい、資料に書かれた真意がうまく伝わらない可能性
があります。

そしてこうした誤解は、当初は小さなブレでも、時間が経つにつれ
大きな解釈のブレになりかねません。その結果、最終的なアウトプ
ットが大きくずれてしまい、本来の目的が達成できないという結果
になってしまうことも考えられます。
小さな組織で、日頃から顔を合わせて、職場の状況や互いの考え方
がわかっていれば、そういう問題は起こりにくいでしょう。でも組
織が大きくなるにつれて、互いの状況が見えにくくなると、そう頻
繁に確認もできません。

アマゾンも小さな組織だったときには、お互いの意思疎通について
それほど気にすることはなかったと思います。会議資料をパワーポ
イントで作成し、箇条書きもよく使われていました。しかしグロー
バル企業として成長していく中で、従業員や関係者の人数が膨大に
なって組織内での意思疎通が容易ではなくなり、その弊害が看過で
きなくなったのです。

そこで、ベゾスが2006年頃に設定したのが、「会議の資料は箇
条書き禁止。ナレーティブを用いる」、つまり文章で書くというル
ールです。
ベゾスは、おそらく週に何十件という報告を受ける身です。なので
人一倍、箇条書きの問題点に頭を悩ませていたのでしょう。

伝達内容のズレ以外にも、パワーポイントの箇条書き資料には問題
があります。
文章の資料を何枚も書くのは骨の折れる作業ですが、パワーポイン
トによる箇条書きの資料は、比較的容易にすぐ作れます。枚数を気
にせず思いついたことをスライドに列挙していき、会議当日は適当
に飛ばしながら口頭で説明することも可能です。いわば「やっつけ
仕事」での資料作成が可能なのです。

しかしきちんとした文章にするとなると、読んだときにつじつまが
合わない部分が出てこないように、最初から整合性をとらなくては
なりません。そのため、吟味に吟味を重ね、適切な情報を用いて推
敲を重ねなければなりません。
エッセンスだけを凝縮して、それを文章にまとめようとすると、必
然的に何回も書き直しをしなくてはならなくなります。おそらくベ
ゾスは、そのようにじっくり検討して推敲するプロセスも期待して
、この会議の資料作りのルールを考えたのではないでしょうか。



2021/07/21 (Wed)

「Windows 365」についての、3回目になります。

マイクロソフトはデータセンターを自社で持ち、他社に対してパブ
リッククラウドサービスとして提供しているほか、自社が展開する
SaaSのリソースとしても利用できるため、価格競争力で他社が
提供するインフラに依存せざるを得ないSaaSベンダーと比べ、
スケールメリットの点で比較的優位な環境にあるといえます。

こうした圧倒的なインフラストラクチャーを生かして、魅力的なS
aaSを積極的に開発し、それを低価格で提供します。これが現在
のマイクロソフトの勝ちパターンの最大の理由です。マイクロソフ
トは既にWindowsやOfficeを売る企業ではなく、マイ
クロソフトクラウドで稼ぐ会社なのです。これこそが、同社の最大
の強みなのです。

● 在社だけでも、在宅だけでもない、次の働き方としての「ハイ
  ブリッド・ワーク」

米国ではワクチンの接種が進んだことにより、既にマインドが経済
復興に切り替わりつつあります。それにより、従業員をオフィスに
戻す考え方を表明する企業も出てきており、在社復帰派(主に経営
サイド)と在宅継続派(主に従業員サイド)の綱引きも始まってい
ます。しかし、マイクロソフトも、その競合であるSlackも、
新しい働き方は在社か在宅かという「二者択一」ではないと主張し
ています。

彼らが主張しているのはその両方を柔軟に組み合わせた「ハイブリ
ッド・ワーク」と呼ばれる働き方です。つまり、従業員がオフィス
で仕事をすることを望むのならオフィスで働ける環境を整え、逆に
従業員がリモートワークを望むならリモートワークで働ける環境を
整えます。どちらにも対応可能な、柔軟に従業員が働ける環境を作
る、、それがハイブリッド・ワークの考え方です。

「こうした柔軟な選択肢を提供することが、今後、企業が生産性を
上げるために必要になる」、マイクロソフトの主張はそこにありま
す。今後、日本でもワクチンの接種が進み、経済復興の動きが強ま
れば、オフィスに戻りたい人も、リモートワークを継続したい人も
出てくるでしょう。ハイブリッド・ワークが重要なテーマとして浮
上してくるはずです。

その時、企業がMicrosoft 365、Teams、そして
Windows 365のようなSaaSツールを検討するのは自
然な流れといえます。上述のように、企業の経営者にとってもIT
管理者にとってもSaaSツールはメリットが大きいものです。企
業が求めるサービスをSaaSで提供できるマイクロソフトは、こ
の先もしばらくは好調が続きそうです。



2021/07/20 (Tue)

「Windows 365」について、昨日の続きになります。

● パンデミックの発生で、Teamsのユーザー数は7.25倍

マイクロソフトがこうした生産性向上のためのツールをSaaS形
式で提供するのは、Windows 365が初めてではありませ
ん。「Microsoft 365」(旧名は、「Office 
365」、昨年の4月にブランド変更された)は、Microso
ft OfficeをSaaSとして提供しているものですし、そ
のMicrosoft 365の一部として提供されている「Te
ams」(チームズ)もそうです。

特にTeamsは、リモートワークで働いている多くの人にとって
はおなじみのツールです。競合するビデオ会議ツールの「Zoom
」、コラボレーションツールの「Slack」という二つの製品の
機能を併せ持ったTeamsは、昨年の3月前後に発生したパンデ
ミック後に、利用するユーザー数が大幅に増加しました。
2019年の11月時点では、DAU(デーリーアクティブユーザ
ー、24時間以内にサービスにアクセスしたユニークユーザーの数
)は、2000万ユーザーにすぎませんでしたが、パンデミックが
発生した3月には一挙に倍以上の4400万、同年7月は7500
万、そして同年11月には1億1500万ユーザーと急増します。
今回のInspire 2021で発表された最新の数字では1億
4500万ユーザーとのことで、2019年11月と今を比べると
、ユーザー数は7.25倍と急速に増えました。

Teamsのユーザーが急速に増えていったのは、パンデミックの
発生によりリモートワーク(在宅の働き方)を多くの従業員が強い
られたためです。米マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏は
、2020年4月に行われた同社四半期決算会見で「この2カ月で
2年分のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が起こった
」と述べ、パンデミックによりリモートワーク需要などが高まり、
デジタル化、いわゆるDXが急速に進展したという認識を明らかに
しています。

Microsoft 365、Teamsだけでなく、今年の2月
にはHR(人事)系ツールとなる「Microsoft Viva
」を追加するなど、マイクロソフトはさまざまなSaaSを提供し
充実させてきています。その最後のピースとなるのが今回発表され
たWindows 365なのです。

● マイクロソフトが強力なSaaS製品をリリースし続けられる
  理由

こうした生産性向上、DXを推進するSaaSツールを次々とリリ
ース、ユーザーを増やせる背景には、同社が「Microsoft
 Cloud」(マイクロソフトクラウド)と総称する、圧倒的な
クラウドインフラストラクチャーを抱えていることがあります。
こうしたクラウドインフラストラクチャーは、データセンター(多
数のサーバーから構成されるサーバー群を運用するための施設)を
多数持つ必要があります。特にグローバルにサービスを展開するた
めには、世界各国の法規制などに対応する意味でも世界各国にデー
タセンターを設置する必要があります。しかし、データセンターの
建設、維持には高いコストがかかるため、一般的なSaaSを提供
するサービスプロバイダーは、「パブリッククラウド」と呼ばれる
クラウドのインフラを委託されて運営しているサービスを利用しま
す。
マイクロソフトはこのパブリッククラウドのサービスである「Az
ure」(アジュール)を展開しており、顧客にクラウドのインフ
ラを提供している立場です。その市場シェアはAmazonが運営
するAWS(Amazon Web Services)に次ぐ2
位となっています。ちなみに3位はGoogleが運営する「Go
ogle Cloud Platform」(通称GCP)となっ
ています。



2021/07/19 (Mon)

7月15日、米マイクロソフトは「Windows 365」を発
表しました。これはWindows OSの新バージョンではなく
企業向けの新しいクラウドサービスです。Windows 365
とは何か、そしてマイクロソフトはどのような狙いでこのサービス
を提供するのかを3回に分けて紹介します。

● Windowsのクラウド版サービス

米マイクロソフトは、7月14日(日本時間7月15日)から開催
しているオンライン・カンファレンス「Microsoft In
spire 2021」(マイクロソフト・インスパイア)でクラ
ウドPCサービス「Windows 365」(ウインドウズ・ス
リーシックスティーファイブ)を発表しました。8月から提供を開
始する計画です。
Windows 365は、パソコン(Mac OSでもよい)や
iPadなどのタブレット上のWebブラウザで、Windows
 PCと同じ感覚で利用することができるというものです。もう少
し詳しく言えば、「仮想デスクトップ」という技術を利用して、ク
ラウド上にWindows PCのイメージを置き、そこにインタ
ーネット経由で好きな端末のWebブラウザから接続して遠隔操作
できるというものです。Windowsのクラウド版サービスであ
り、パソコンにインストールする従来のWindows OSとは
根本的に異なります。
Windows 365は8月からサービスが提供される予定で、
まずはOSとしてWindows 10を選択できます。年末まで
に投入される予定のWindows 11がリリースされた後は、
Windows 11を選択することが可能になります。

● 物理的なPCを仮想化してSaaSにした、Windows 
  365のメリット

なぜマイクロソフトは、これまでパソコン用OSとして提供してき
たWindowsを、クラウド上のサービスとして提供することに
したのでしょうか。
従来Windowsを利用するためには、ノートPCなどの物理的
なハードウエアとセットで使うしかありませんでした。このため、
企業がリモートワークで社員にWindowsを使わせるとなると
社外にPCを持ち出して使うことを認める、あるいはセキュリティ
ーの心配をしながら私物のパソコンを使うことを認めるしかありま
せんでした。しかしこの場合、従業員がノートPCをどこかに置き
忘れたり紛失したりする、また、私物のパソコンには企業内のセキ
ュリティーポリシーが通用しない、などのリスクがありました。

上述のように、Windows 365とは、仮想化されてクラウ
ド上に置いてあるWindowsです。これなら物理的なハードウ
エアから切り離されて、インターネット経由で利用できるサービス
SaaS(Software as a Service)になる
ので、最新のWebブラウザと、インターネット回線さえあれば、
PCでなくてもWindowsを利用することができるようになり
ます。つまり、iPadやAndroidのタブレットや、Mac
OSなどWindowsではないOSを搭載したマシンでも、ある
いは従業員が個人的に所有しているWindows PCなどから
でも、Windowsを利用できるようになるのです。

Windows 365はクラウド環境上で実行されるので、ユー
ザーが利用・作成した各種データも当然クラウド上に保存されます
。ユーザーが物理的に持っているパソコンやタブレットにはデータ
が残らないので、紛失や盗難に遭った場合も、情報漏えいなどの心
配はありません。
従業員側のデバイスを問わずに使えて、もしPCを紛失しても大騒
ぎになる心配がない、、Windowsでこれが実現できれば、企
業のIT管理者にとって福音となります。

マイクロソフトはWindows 365を、ユーザー当たりの料
金を月額固定制(サブスクリプション)として提供します。企業は
固定費として経費に計上できるため、資産管理をしなければいけな
い物理PCに比べて、管理や経理処理がより楽になるのも特徴とい
えます。

明日に続きます。



2021/07/16 (Fri)

熊本大学の産業ナノマテリアル研究所は、ジャパンシーフーズ(福
岡市)と共同で「アニサキス」を殺虫する新たな方法を開発しまし
た。アニサキスは寄生虫の一種で、アジやサバといった海産魚に寄
生しています。

ヒトが刺身などを食べて生きたアニサキスを摂取した場合、食中毒
を引き起こすことがあります。しかも、卒倒しそうな痛みを引き起
こします。発表によると、これまで加熱以外でアニサキスを殺虫す
る方法は冷凍に限られていました。今回開発されたのは、電流を魚
の身に流すというものです。

■すでに殺虫装置の試作機が稼働

熊本大の2021年6月22日の発表によると、従来の冷凍による
殺虫は、魚の身に対し、「ドリップ流出、退色、食感の軟化などの
品質劣化」を引き起こします。ドリップとは食材に含まれる水分の
ことです。一方、新たな手段は「パルスパワー」というものを用い
ます。発表資料では、「200V(もしくは100V)」の電源か
ら電気エネルギーを蓄積し、これらを瞬間的に取り出すことで得ら
れる「瞬間的超巨大電力」をパルスパワーと説明しています。

魚の身に瞬間的にパルスパワーによる大電流を流すことで、身の温
度上昇を抑えながらアニサキスを殺虫できるといいます。この方法
で殺虫した場合、解凍品の魚の身に比べ、品質の劣化が少ないとの
ことです。

このアニサキス殺虫装置のプロトタイプ機(試作品)は、すでにジ
ャパン・シーフーズの工場で稼働しています。殺虫処理をした生食
用刺身のサンプル出荷を、2021年秋に予定している。

■年中通して食中毒発生

厚生労働省公式サイトによると、アニサキスによる食中毒の多くは
「急性胃アニサキス症」と呼ばれる症状で、食後数時間後から十数
時間後に、みぞおちの激しい痛みや悪心、おう吐が生じます。
2018年には478件、2019年には338件、2020年に
は396件と、毎年のように数百件の被害が出ています。3年間を
月ごとに見ても毎月10件以上発生しており、年間を通して食中毒
のリスクがあるようです。新たな殺虫技術が普及すれば、アニサキ
スによる被害の減少に加えて、アジやサバを今までよりおいしく食
べられるようになるかもしれません。




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